【宅建頻出】共有と区分所有法はこれで完璧|一発で理解する重要論点

不動産を複数人で所有する「共有」や、マンションに代表される「区分所有」は、実務でもトラブルが起きやすく、かつ宅建試験でも頻出の重要テーマです。
特に、「誰の同意があれば何ができるのか」「持分とは何か」「共用部分と専有部分の違い」などは、正確に理解しておかないと判断を誤りやすいポイントです。

本記事では、民法における共有の基本ルールから、区分所有法の重要論点までを体系的に整理し、具体例を交えながらわかりやすく解説します。実務にも試験対策にも役立つ内容として、しっかり押さえていきましょう。

目次

共有

■ 共有物に関する基本ルール(民法第251条ほか)

共有物をどう扱うかは、行為の種類によって必要な合意の範囲が異なります。

行為の種類必要な合意具体例
保存行為各共有者が単独で可雨漏り修繕、不法占拠者への明渡し請求
管理行為持分の過半数(頭数ではない)管理者の選任・解任
変更行為全員の同意増改築・建替え・売却・抵当権設定

⚠️ ポイント:変更行為のうち「軽微な変更」(形状や効用に著しい変化をもたらさないもの)については、持分の過半数で足ります。


■ 解説:共有とはどういうものか

(1)共有の意味

「共有」とは、一つの不動産や物を複数人で所有することを指します。たとえば、AさんBさんCさんの3人が共同出資で別荘を取得したとしましょう。この別荘は3人の共有物となり、それぞれが所有権を持つことになります。

(2)持分とは何か

共有者それぞれが持つ所有権の割合を「持分」といいます。原則として、出資した金額の割合に応じて持分が決まります。では、各自の出資額が不明な場合はどうなるでしょうか?

この場合、民法の規定により各共有者の持分は平等と推定されます。また、各共有者は善良な管理者としての注意義務(善管注意義務)をもって共有物を使用しなければなりません。

(3)保存・管理・変更の三区分

先ほどの別荘を例に、具体的に見ていきましょう。

① 保存行為 → 単独で可能

別荘の屋根から雨漏りが発生した場合、共有者のうち誰か一人でも、持分の大小にかかわらず独断で修繕できます。これを「保存行為」と呼び、物の現状を維持するための行為です。

② 管理行為 → 持分の過半数が必要

別荘の管理者を新たに選任するような場合は「管理行為」に該当し、共有者全員の頭数ではなく、持分ベースで過半数の賛成が必要です。

③ 変更行為 → 全員の同意が必要

2階の増築や建替え、あるいは第三者への売却などは「変更行為」に当たります。この場合は、A・B・C全員が合意しなければ実行できません。


(4)持分の処分について

別荘全体をDさんに売却したい場合はABC全員の同意が必要ですが、AさんだけがDさんに自分の持分を譲渡する場合は、BさんやCさんの同意は不要です。抵当権の設定も同じ考え方で、共有物全体に設定するには全員の合意が必要ですが、自分の持分だけに設定するなら単独で行えます。

また、もし第三者のDさんが別荘を不法占拠している場合、Aさん一人でも明渡し請求は可能です(保存行為)。ただし、損害賠償請求となると話は別で、AさんはAさん自身の持分に相当する分しか請求できず、B・C両名の分まで代わりに請求することはできません。

📌 補足:共有物の全部を占有している共有者がいたとしても、他の共有者が当然に明渡しを求められるわけではありません。


(5)管理費用の不払いが生じた場合

各共有者は持分に応じて共有物を使用でき、管理費用も持分割合で負担します。もしAさんが管理費用を1年以上滞納した場合、B・Cはその持分を買い取る権利を持ちます。

さらに、Aさんが滞納したまま持分をDさんに譲渡した場合でも、B・CはDさんに対してAさんの滞納分の支払いを請求できます。


(6)共有物の分割

各共有者は、原則としていつでも分割を請求できます。協議がまとまらない場合は、裁判所に分割を求めることも可能です。

ただし、別荘のような不動産は物理的に分けることが困難な場合も多く、その場合は競売にかけて代金を持分に応じて分配する方法をとります。

不分割特約について

共有者間の合意で、分割を一定期間禁じる「不分割特約」を設けることができます。この特約がある間は、裁判所への分割請求もできません。有効期間は最長5年(更新可)とされており、遺産分割を禁止する場合の期間制限と同じです。


(7)持分の行方:放棄・相続人不存在の場合

共有者の一人が持分を放棄した場合、または死亡して相続人も特別縁故者(内縁関係にある方など)もいない場合、その持分は国庫に帰属するのではなく、残りの共有者に帰属します。


■ 確認問題

問題:A・B・Cがそれぞれ3分の1の持分で甲土地を共有している。AがAの持分を放棄した場合、その持分は国庫に帰属する。○か×か?

答え→ここをクリック

解答×(誤り)

共有者の一人が持分を放棄した場合、その持分は国庫ではなく他の共有者に帰属します。

区分所有法

1.専有部分・共用部分・敷地利用権

■ まず押さえるべきポイント

  • 専有部分は、住居だけでなく店舗・事務所・倉庫でも対象となります
  • 専有部分の床面積は壁の内側線(内法)で計算します

共用部分と敷地利用権には、次の2つの共通原則があります。

共通原則内容
共有割合原則として専有部分の床面積の割合による(規約で変更可)
分離処分の禁止原則として専有部分と切り離して処分できない

(1)区分所有法とはどんな法律か

マンションには大きく「分譲型」と「賃貸型」がありますが、区分所有法(正式名称:建物の区分所有等に関する法律)が適用されるのは分譲マンションです。

ただし、居住用マンションに限りません。一棟の建物の中で区分された部分が分譲される形態であれば、用途を問わず(店舗・事務所・倉庫など)この法律が適用されます。


(2)専有部分とは

たとえばAさんが「宅建レジデンス202号室」を購入したとします。Aさんが取得したのは202号室という「区分された建物部分の所有権」であり、この権利を区分所有権、その対象となる202号室を専有部分と呼びます。

試験でよく問われるのが、専有部分の床面積の算出方法です。区分所有建物では、壁などの区画の内側の線(内法・うちのり)で囲まれた部分の水平投影面積で算出します。壁の中心線(壁芯)ではありません。

床面積の算出方法まとめ

建物の種類算出基準
区分所有建物(マンション等)壁の内側線(内法・うちのり)
区分所有建物以外(一戸建て等)壁の中心線(壁芯・へきしん)

(3)共用部分とは

一戸建てとは異なり、マンションには入居者が共同で利用するスペースがあります。これを共用部分といい、次の2種類に分けられます。

① 法定共用部分

廊下・階段・エレベーター・外壁など、建物の構造上、当然に共同使用を前提としている部分です。法律上当然に共用部分とされます。

② 規約共用部分

管理室・集会室・附属の建物など、本来であれば専有部分として分譲できる性質のスペースを、マンションの規約によって共用部分と定めたものです。

共有持分の割合について

いずれの共用部分も、原則として区分所有者全員の共有となります。共有持分の割合は、原則として各専有部分の床面積(内法)の割合によります(規約で別途定めることも可能)。

また、共用部分の持分は専有部分の所有権と一体のものであるため、共用部分の持分だけを独立して処分することは原則としてできません。Aさんが202号室をBさんに売却すれば、法定・規約どちらの共用部分の持分もBさんへ移転します。


(4)共用部分の登記

法定共用部分は、最初から分譲の対象とならない部分なので、法定共用部分である旨の登記は不要であり、登記なしに第三者へ対抗できます。

一方、規約共用部分は本来分譲可能なスペースであるため、第三者との関係で対抗問題が生じます。そのため、表題部に規約共用部分である旨の登記が必要です。

📌 ポイント整理

  • 規約共用部分 → 表題部に登記が必要
  • 法定共用部分 → 登記不要(登記もできない)

(5)敷地利用権とは

マンションは地面の上に建っている以上、各区分所有者は何らかの形で土地を利用する権利を持っています。これを敷地利用権といい、土地の所有権・地上権・賃借権などがこれに当たります。

なお、区分所有権はあくまで建物部分の権利であり、土地部分には及びません。

敷地利用権は共用部分と同様、次の2つの原則が適用されます。

原則内容
① 共有割合専有部分の床面積の割合で各区分所有者が共有(規約で変更可)
② 分離処分の禁止専有部分と切り離して処分できない(規約で変更可)

専有部分を第三者に譲渡すれば、敷地利用権も自動的に一緒に移転します。


■ 確認問題①

問題:各共有者の共用部分の持分は、規約に別段の定めがない限り、共有者の人数で均等に分けることとされている。○か×か?

答え→ここをクリック

解答×(誤り)

共用部分の持分割合は、規約に別段の定めがない限り、各専有部分の床面積の割合によります。人数割りではありません。


2.区分所有建物の管理

(1)議決権行使の方法

区分所有建物の管理に関する事項は、区分所有者の集会(総会)で決定します。仕事などで集会に出席できない場合でも議決権を行使できるよう、書面・電磁的方法(電子メール等)、または代理人による議決権行使が認められています。


(2)3つのキーワード

試験頻出の用語を整理します。

用語意味具体例
包括承継人相続人などAさんが死亡し、子のBさんが202号室を相続→BさんがAさんの包括承継人
特定承継人売買等による取得者AさんがCさんに売却→CさんがAさんの特定承継人
占有者賃借人などAさんがDさんに賃貸→Dさんが占有者

集会の決議や規約の効力は、これら①包括承継人・②特定承継人・③占有者にも及びます。建物を実際に使用している人に効力が及ばなければ意味をなさないためです。

ただし、占有者は集会に出席して意見を述べることはできますが、決議(投票)には参加できません。あくまで意見陳述の機会が与えられているにとどまります。


(3)集会の運営ルール

① 議長

管理者がいる場合は管理者が議長を務め、管理者がいない場合は集会を招集した区分所有者の中から1人が議長となります。

② 議事録

集会の議事録には、議長と、集会に出席した区分所有者のうち2名が署名しなければなりません(合計3名)。


(4)管理者のルール

  • 管理者の選任・解任は、集会の普通決議(区分所有者と議決権の各過半数)で決します(規約で別途定めることも可)
  • 管理者は少なくとも年1回、集会を招集しなければなりません
  • 規約に特別の定めがある場合、管理者は共用部分を所有することができます

⚠️ 注意:集会の招集通知は、集会の日の少なくとも1週間前に発しなければなりません。この1週間という期間は、規約で延長することはできますが、短縮はできません


(5)区分所有者による集会の招集

議決権を持つ区分所有者の5分の1以上で、かつ議決権の5分の1以上を有する者は、管理者がいる場合はその招集を請求でき、管理者がいない場合は自ら招集できます。この5分の1という割合は、規約で引き下げることはできますが、引き上げることはできません

全員同意の場合の特例

  • 議決権を持つ区分所有者全員の同意があれば、招集手続きなしで集会を開催できます
  • 議決権を持つ区分所有者全員の承諾があれば、集会を開かずに書面または電磁的方法のみで決議できます

3.集会の決議

(1)普通決議

原則として、出席した区分所有者(議決権を持つ者)の過半数かつその議決権の過半数の賛成で決議が成立します。これを普通決議といいます。

(2)特別決議

以下の事項は過半数では不十分であり、より高い要件が必要です。これを特別決議といいます。

特別決議事項一覧

決議事項必要な賛成割合規約による緩和
共用部分の重大な変更出席者の4分の3以上過半数まで緩和可
共用部分の一定事由による変更出席者の3分の2以上過半数まで緩和可
大規模滅失の復旧出席者の3分の2以上緩和不可
規約の設定・変更・廃止出席者の4分の3以上緩和不可
違反者への措置出席者の4分の3以上緩和不可
管理組合の法人化出席者の4分の3以上緩和不可
建替え(原則)全員の5分の4以上緩和不可
建替え(一定の場合)全員の4分の3以上緩和不可

⚠️ 注意1:①〜⑤の特別決議には、議決権を持つ区分所有者の過半数かつその議決権の過半数を有する者の出席が必要です。 ⚠️ 注意2:専有部分を複数人で共有している場合、共有者は持分の価格に従い過半数をもって、議決権行使者を1人に絞らなければなりません。


共用部分の重大な変更

必要要件:議決権を持つ区分所有者の過半数が出席 + 出席者の4分の3以上の賛成

共用部分の変更は、内容によって次のように区分されます。

区分内容決議種別
軽微な変更形状・効用に著しい変化をもたらさない変更普通決議
一定事由がある変更瑕疵による危険除去、バリアフリー化など3分の2以上(特別決議)
重大な変更上記以外の変更4分の3以上(特別決議)

📌 「一定事由がある場合」とは、共用部分の設置・保存の瑕疵により権利侵害のおそれがある場合、または高齢者・障害者等の移動利便性・安全性の向上のためのバリアフリー化が必要な場合を指します。

多数決の濫用は認められない

変更の結果、一部の区分所有者の専有部分の使用に特別の影響が生じる場合(例:共用部分の工事で特定の部屋のドアがふさがれるなど)、その影響を受ける区分所有者の個別の承諾が必要です。多数決だけで押し通すことは許されません。

保存行為は単独で可能

共用部分の雨漏り修繕などの保存行為は、各区分所有者が単独で行えます。


大規模滅失の復旧

必要要件:議決権を持つ区分所有者の過半数が出席 + 出席者の3分の2以上の賛成

落雷や火災でマンションが大きく損壊した場合を想定しましょう。

① 専有部分の復旧

専有部分は各区分所有者の単独所有であるため、各自が自由に復旧工事を行えます。

② 共用部分の復旧

共用部分の復旧手続きは、被害の規模によって異なります。

被害の規模基準手続き
大規模滅失建物全体の価格の2分の1超の滅失集会の特別決議(3分の2以上)が必要
小規模滅失建物全体の価格の2分の1以下の滅失各区分所有者が単独で復旧可能

ただし小規模滅失であっても、復旧の決議(普通決議)または建替え決議があった後は、単独での復旧工事はできなくなります。


規約の設定・変更・廃止

必要要件:議決権を持つ区分所有者の過半数が出席 + 出席者の4分の3以上の賛成

規約とは、そのマンション固有のルールです。たとえば「ペット飼育の禁止」や「駐車場の利用方法」などを規約で定めます。

マンションの購入検討者も規約の拘束を受けることから、規約の閲覧を請求する権利が認められています。

分譲前は公正証書で設定可

上記の4分の3以上の決議による規約設定は分譲後の話です。分譲前は、分譲事業者が公正証書によって一定事項を単独で設定できます。

多数決の濫用は認められない

規約の設定・変更・廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を与える場合は、その区分所有者の個別の承諾が必要であり、多数決だけで決定することはできません。

⚠️ 規約・議事録の管理に関する注意点

  • 保管者:管理者(管理者不在の場合は、規約または集会の決議で定められた者)
  • 掲示義務:保管場所は建物内の見やすい場所に掲示しなければならない(通知は不要)
  • 閲覧義務:利害関係人から閲覧請求があった場合、正当な理由なく拒否することはできない(違反した場合は過料)

■ 確認問題②

問題:規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。○か×か?

答え→ここをクリック

解答○(正しい)


4.違反者への措置

必要要件:いずれも 議決権を持つ区分所有者の過半数が出席 + 出席者の4分の3以上の賛成 + 裁判(訴訟)

マンションは多くの人が壁一枚を隔てて暮らす共同住宅であり、他の居住者の迷惑となる行為(「共同の利益に反する行為」)には、一定の対処手段が認められています。

(1)3つの対処手段

たとえば、202号室の所有者Aさんが毎晩深夜まで大音量で音楽を流し続けているとします。

手段内容
A.使用禁止請求Aさんに対し、相当期間202号室の使用を禁止する
B.競売請求使用禁止だけでは改善しない場合、202号室を競売して第三者に取得させ、Aさんを退去させる
C.占有者への引渡請求AさんがBさんに賃貸しており、BさんがトラブルメーカーであればAB間の賃貸借契約を解除し、BさんにAさんへの明渡しを求める

A・B・Cのいずれも、集会の特別決議(4分の3以上)に基づき、裁判を提起することが必要です。

(2)それ以外の請求手段

なお、行為の停止を求めるだけなら、各区分所有者が単独で請求できます。また、停止を求めて裁判を起こすだけであれば、集会の普通決議(過半数)で足ります。

まとめ

手段必要な決議・手続き
行為の停止を求める請求各区分所有者が単独で可
停止を求める訴訟集会の過半数(普通決議)
使用禁止・競売・引渡請求の訴訟集会の4分の3以上(特別決議)+裁判

5.管理組合の法人化

必要要件:議決権を持つ区分所有者の過半数が出席 + 出席者の4分の3以上の賛成


管理組合とは何か

管理組合は、区分所有者たちが話し合って任意に結成するものではありません。マンションの区分所有者になった瞬間から、自動的に全員が管理組合の構成員となります。建物の維持・管理はすべての区分所有者が等しく担うべき責任であるため、参加・不参加を選ぶ余地はないのです。


法人化の手続き

管理組合を法人格のある組織にするためには、次の要件をすべて満たす必要があります。

要件内容
① 出席要件議決権を持つ区分所有者の過半数かつ議決権の過半数を有する者が出席
② 賛成要件出席した区分所有者とその議決権の各4分の3以上の賛成
③ 登記主たる事務所の所在地で登記を行う
④ 役員の設置理事監事を置く

試験でとくに問われるのは①と②の決議要件です。③と④も法律上の要件ですが、出題頻度は低めです。

📌 補足:理事が複数いる場合、規約に別段の定めがないときは、管理組合法人の業務執行は理事の過半数で決定します。


6.建替え決議

必要要件:区分所有者(議決権を持つ者)と議決権の各5分の4以上の賛成


建替えは全員の5分の4

マンションを購入したからといって、永遠にその部屋に住み続けられる保証はありません。一人が反対しても、区分所有者と議決権の各5分の4以上の賛成による集会決議があれば、建替えを実施することができます。

建替えは居住者の生活に与える影響が極めて大きいため、「出席者の5分の4」ではなく、全体の5分の4という厳しい要件が設けられています。


建替えに反対する区分所有者への対応

建替えが決議された場合、賛成派は反対派に対して時価での区分所有権(専有部分)の売渡しを請求することができます。ただし、反対派側からの買取請求は認められていません


要件が緩和される場合(4分の3以上でよい場合)

建物が次のいずれかの状態にある場合は、各4分の3以上の賛成で建替えを決議できます。

  1. 地震・火災に対する安全性が不足している場合
  2. 外壁などの損傷によって周辺に危害が及ぶおそれがある場合
  3. 給排水管などの設備が損傷・腐食している場合
  4. バリアフリーに関する基準を満たしていない場合

招集通知の特例

建替えという重大な決断を短期間で迫ることは適切ではありません。そのため、建替え決議を議題とする集会の招集通知は、集会の日の少なくとも2ヶ月前に発しなければなりません。この2ヶ月という期間は、規約で延長することはできますが、短縮することはできません


区分所有建物の登記

登記記録のイメージ

【表題部】
 所在:〇〇市〇〇町〇丁目〇番
 建物名称:グランドコート宅建
 専有部分:202号室(2階・80㎡)

【権利部(甲区)】
 所有者:A

表題登記の申請方法

区分所有建物を新築した場合、一棟の建物に属するすべての専有部分(全戸)の表題登記をまとめて申請しなければなりません。所在地・建物名称などが各戸に共通するため、戸ごとにバラバラに申請することは認められていないのです。


敷地権の登記手続き

専有部分と敷地利用権は原則として分離処分できないため、登記もこの一体性を反映した仕組みになっています。以下の3段階の手続きを経ることで、建物の登記記録だけで敷地権も管理できるようになります。

手続きの流れ:土地→建物→土地


【手続きⅠ】土地登記記録への登記(敷地権の発生)

まず、敷地である土地の登記記録に所有権などの権利を登記します。これにより、区分所有者が持つ敷地利用権は「敷地権」へと変わります。

たとえば、マンションの敷地をA・B・Cが共有している場合、土地登記記録に所有権の登記をすることで、ABCの敷地利用権がそれぞれ敷地権となります。


【手続きⅡ】建物登記記録への登記(敷地権についての表示の登記)

次に、建物の登記記録の各専有部分の表題部に、「この専有部分の敷地利用権は敷地権である」旨を登記します。これを「敷地権についての表示の登記」といいます。

専有部分が3室あれば、それぞれの表題部(合計3ヶ所)に登記します。


【手続きⅢ】土地登記記録への追記(敷地権である旨の登記)

最後に、土地の登記記録の権利部に、「この土地は敷地権の対象となった」旨を登記します。これを「敷地権である旨の登記」といい、職権(登記官が自動的に)行います。

この登記により、土地の登記記録を見た第三者も、その土地が敷地権の目的となっていることを把握できます。


3段階の手続きが完了すると生じる3つの効力

① 分離処分登記の禁止(原則)

専有部分と敷地権を切り離した形での登記は、原則として禁止されます。たとえば、専有部分だけの所有権移転登記は認められません。

例外:土地が敷地権の目的となる前(手続きⅠ以前)に、すでに登記原因が生じていたケースは登記できます。

② 専有部分への登記が敷地権にも及ぶ

専有部分に登記をすれば、自動的に敷地権にも同一の登記をしたものと扱われます。たとえば、専有部分の所有権移転登記をすることで、敷地権の移転についても対抗力が生じます。

③ 敷地権単体での登記の禁止(原則)

②の仕組みにより、敷地権だけを対象とした登記は不要となり、原則として禁止されます。たとえば、敷地権のみを対象とした抵当権設定登記は認められません。

例外:①と同じく、土地が敷地権の目的となる前(手続きⅠ以前)に登記原因が生じていたケースは登記できます。


所有権保存登記の特則

区分所有建物では、表題部所有者から所有権を取得した者も、直接自己名義で所有権保存登記を申請することができます。

⚠️ 注意:ただし、敷地権付き区分所有建物の場合は、敷地権の登記名義人の承諾が別途必要となります。


■ 確認問題

問題:区分建物(区分所有建物)の所有権保存登記は、表題部所有者から所有権を取得した者も申請することができる。○か×か?

答え→ここをクリック

解答○(正しい)

区分所有建物では、表題部所有者から直接取得した者であっても、自己名義での所有権保存登記の申請が認められています。

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