前回は、法人設立の登記申請及び市役所、県税事務所への開業届のところまで説明しました。確認したい方はこちら↪︎不動産営業マンのための独立・起業マニュアル【その1】をご覧ください。実際に私が作成した発起人決定書や定款(一部加工します)がご覧にいただけますので、参考にしていただければ幸いです。
今回は登記申請の後のお話です。ただ、この分野は近年デジタル化が急速に進んでおり、以前の記事で書いた「窓口をひとつずつ回る」というやり方は、今では必ずしも最短ルートではなくなりました。今回は、当時の実体験をベースにしつつ、2026年時点で使える電子的な手続き方法もあわせてご紹介します。
法人設立の登記完了までの流れ
法人設立の登記申請で必要書類を提出すると、窓口の方が登記完了予定日のメモをくれます。申請書類に不備がなければ予定通り登記は完了します。当社の場合も問題なく登記予定日に登記されました。
- 登記完了
- 法人番号指定通知書受領(国税庁より登記の本店所在地に郵送)
- 履歴事項全部証明書、法人印鑑カード申請、法人印鑑証明書取得(法務局にて。印鑑持参、代表者以外が申請する場合は委任状が必要)
| 10月7日 | 法人設立の登記完了 |
| 10月8日 | 法人番号指定通知書受領 |
| 10月9日 | 履歴事項全部証明書、法人印鑑カード申請、法人印鑑証明書取得 |
まず知っておきたい「法人設立ワンストップサービス」
以前は、登記が終わったあとに税務署・都道府県税事務所・市区町村役場・年金事務所・ハローワークへそれぞれ個別に足を運ぶ必要がありました。しかし現在は、デジタル庁が提供する「法人設立ワンストップサービス」(マイナポータル経由)を使うことで、定款認証・設立登記・GビズIDの発行に加え、設立届出書の提出のような各種手続を、行政機関ごとに個別に回らずまとめて行えるようになっています。
利用には法人代表者のマイナンバーカードが必須で、スマートフォンまたはICカードリーダライタ付きのパソコンが必要です。画面の「かんたん問診」に答えていくと、自社に必要な手続が案内される仕組みになっており、はじめて設立手続きをする方でも迷いにくくなっています。
とはいえ、実務上は窓口で直接質問しながら進めたい、紙の受領印を確実に残しておきたいという方も多いはずです。ここから先は、従来型の「書面で持参・郵送する」やり方と、電子申請でのやり方の両方を併記していきます。
法人口座開設
| 10月9日 | 法人口座開設 |
【必要書類】
- 履歴事項全部証明書
- 法人印鑑証明
- 代表者本人確認資料
銀行によりますが審査に時間がかかりますので、余裕のあるスケジュール感が必要です。マネーロンダリング対策の観点から、事業内容や取引実態について詳しく確認されることも増えています。不動産業は特に確認項目が多い業種とされていますので、事業計画書や取引先資料などを事前に準備しておくとスムーズです。
税務署への提出書類
| 10月29日 | 税務署へ書類提出 |
【必要書類】
- 法人設立届出書
- 給与支払事務所等の開設届出書
- 棚卸資産の評価方法の届出書(該当する場合)
- 青色申告の承認申請書
- 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
これらの書式は国税庁のホームページからダウンロードできます。書面で提出する場合は、各書類のコピーを取り、提出時に受領印をもらいましょう(会社保管用)。法人設立届出書は、定款+登記簿謄本+株主名簿+設立時の貸借対照表を添付して提出する必要がありますが、定款は会社で保管している控えをコピーすれば問題ありません。
電子申告(e-Tax)という選択肢
現在は、これらの届出書を「e-Tax」を使ってオンラインで提出することも可能です。e-Taxソフト(WEB版)の「法人設立及び異動手続の申請・届出」機能を使うと、法人設立届出書をはじめとする国税関係の届出をまとめて作成・送信でき、条件を満たせば地方税(都道府県・市区町村)の届出も同時に作成できます。
ただし、e-Taxの利用には事前準備が必要です。
- 利用者識別番号の取得(開始届出書の提出)
- 電子証明書(マイナンバーカードなど)の取得と紐付け
- パソコンへの事前準備セットアップ、ブラウザ拡張機能のインストール
法人の場合、一定の認証レベルを満たす「GビズID」を使ってe-Taxにログインすれば、電子証明書の送信や暗証番号の入力を省略できる仕組みも整ってきています。GビズIDは今後さまざまな行政手続きの共通認証基盤として使う場面が増えていくと見られますので、法人設立のタイミングで取得しておいて損はありません。
なお、地方税側の電子申告システムである「eLTAX(PCdesk)」は、Mac環境では対応が不十分な場合があるとの報告も見られます。事務所のパソコン環境によっては、当面Windows機を1台用意しておいたほうが手続きがスムーズに進むケースもあるようです。
書面提出・電子提出のどちらを選ぶにしても、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応も同時に検討しておくべき時期に来ています。設立初期の段階で、会計ソフトの選定とあわせて電子申告の環境を整えておくと、後々の事務負担がかなり軽くなります。
市役所・県税事務所への提出
税務署へ法人設立届出書を提出したら、所在地の市役所と県税事務所にも法人設立届出書を提出します。それぞれ、指定の法人設立届出書と法人の登記簿謄本、定款(届出書以外はコピーで構いません)を提出して法人設立の手続きは完了です。前述の通り、各書類はコピーを取り、提出時に受領印をもらって会社保管用に持ち帰りましょう。
e-Taxソフト(WEB版)を利用する場合、国税の届出と同時に一部の地方税様式を作成・送信できるため、市役所・県税事務所への提出も窓口に行かずに完結できる場合があります。ご自身の自治体が対応しているかどうかは、提出先の窓口またはeLTAXのホームページで事前に確認しておくことをお勧めします。
自分でやってみる価値
時間をかければ、自分ひとりでも法人設立の手続きは可能です。むしろ、このような機会は人生でもなかなかないので、自分でやってみることをお勧めします。電子申請の環境整備には多少の手間がかかりますが、一度整えてしまえば、その後の確定申告や各種届出でも繰り返し使える資産になります。調べることは多いですが、その分自分の知識や経験が増えることは話のネタにもなりますし、意外と楽しいものです。
ここまでが不動産会社を作るまでの3ステップの1.法人設立となります。次は2.許認可取得です、また次回で


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[…] 登記完了まで約10日前後かかります。続きは「不動産営業マンのための独立・起業マニュアル【その2】」で […]
[…] 前回は、登記申請後、法人口座開設と税務署への開業手続きのところまで説明しました。確認したい方はこちら↪︎不動産営業マンのための独立・起業マニュアル【その2】をご覧ください。注意点等記載しましたので、参考にしていただければ幸いです。 […]