不動産業で独立・起業|宅建業免許の許認可取得ガイド不動産営業マンが独立・起業、宅建業の許認可取得

前回は、登記申請後、法人口座開設と税務署への開業手続きのところまで説明しました。確認したい方はこちら↪︎不動産営業マンのための独立・起業マニュアル【その2】をご覧ください。注意点等記載しましたので、参考にしていただければ幸いです。

今回は、不動産会社を作るまでの3ステップのうち2番目、「許認可取得」について説明します。

目次

許認可とは何か

そもそも許認可とは、特定の事業を行う上で行政機関から受ける許可のことです。許認可が必要な事業なのにその手続きを怠って事業を始めることは違法行為にあたり、罰則や行政処分の対象になります。許認可事業には届出、登録、認可、許可、免許の5種類があり、関連する行政機関(警察署、保健所、都道府県等)から取得しなければなりません。身近な例で言えば、美容室は美容業・理容業として届出が必要ですし、旅行代理店を営むには旅行業の登録が必要です。保育所や私立学校の運営には認可が、リサイクルショップや薬局、建設業を営むには許可が必要となります。

世の中の多くの仕事は、関係する法律のもとに営まれています。当社のように不動産業を始めるには、宅地建物取引業法により宅地建物取引業者の免許が必要になります。

申請方法は「窓口」と「電子申請(eMLIT)」の2通り

宅地建物取引業の免許申請については、各都道府県のホームページ上で申請方法や流れ、申請書類のダウンロードができます。千葉県の場合、県ホームページ内の検索で「宅建業 申請」と入力すると「宅地建物取引業の免許申請(新規・更新)」のページが見つかり、手続きの詳細を確認できます。

大きく変わった点として、千葉県では令和7年(2025年)1月1日から、国土交通省の「手続業務一貫処理システム(eMLIT/イーエムリット)」を利用した電子申請の受付が始まりました。電子申請を利用するには、事前に法人・個人事業主向けの「GビズID」アカウントの取得が必要です。もちろん、これまでどおり窓口での紙申請も可能ですが、紙申請の郵送での受付は行っていないため、窓口に持参するか、電子申請を選ぶかのいずれかになります。手数料については、千葉県収入証紙のほか、「ちば電子申請サービス」を通じた電子納付にも対応しています。

なお、書類作成でわからないことがあれば、千葉県は令和7年9月からAIチャットボットによる24時間対応のFAQ窓口も用意しているので、営業時間外や閉庁日に確認したいときは活用すると良いでしょう。

業務開始までの流れ

宅地建物取引業の業務開始までの流れは以下のとおりです。

  1. 免許申請(窓口へ持参、または電子申請)
  2. 免許通知(免許後、はがきで免許番号等が通知されます)
  3. 営業保証金の供託、または保証協会への加入
  4. 営業保証金供託済の届出、または保証協会加入済の届出(このタイミングで免許証が交付されます)
  5. 業務の開始

申請から免許まではおおむね60日(土日・祝祭日を含む)程度かかりますので、開業スケジュールを組む際は余裕を持たせておくことをおすすめします。

申請時に必要な書類

申請書類は千葉県のホームページからダウンロードでき、片面印刷のうえ、2穴で紐綴じして提出します(結び目は裏側にくるのが千葉県の宅建業申請のスタイルで、許認可により異なるとのことです)。申請書は正本・副本の2部作成してください(大臣免許の場合は3部)。

主な必要書類は次のとおりです。

  • 免許申請書(1〜5面)
  • 宅地建物取引業経歴書
  • 誓約書
  • 専任の宅地建物取引士設置証明書
  • 相談役及び顧問(法人の場合)
  • 5%以上の株式・出資を有する株主・出資者に関する書面
  • 事務所を使用する権原に関する書面
  • 略歴書
  • 宅地建物取引業に従事する者の名簿
  • 専任の宅地建物取引士の顔写真貼付用紙
  • 法人の履歴事項全部証明書(法務局発行)
  • 法人の印鑑証明書(法務局発行)
  • 設立時貸借対照表(資本金は登記されている金額に合わせて作成。資本準備金を含んだ貸借対照表だと修正が必要となり、免許までの時間が延びる場合があるので注意してください)
  • 事務所の案内図(ネット上の地図のスクリーンショットで問題ありません)
  • 事務所の写真(自宅兼事務所の場合、玄関から事務所まで居室を通らない動線が必要です)
  • 事務所の平面図(写真に対応する番号を書き込んでおくと、担当者にも分かりやすくなります)
  • 役員等カード
  • 退職証明(前職で専任の宅建士だった場合など、退職予定であることを証明する書類)

以前は専任の宅地建物取引士について「身分証明書」と「登記されていないことの証明書」の提出も必要でしたが、令和6年(2024年)5月25日の宅地建物取引業法施行規則の改正により、これらの提出は不要になりました。また、令和3年(2021年)3月の改正で提出様式から押印欄も削除されているため、以前の記憶で「実印を押さなければ」と身構える必要はありません。最新の様式は必ず県のホームページから取得するようにしてください。

なお、令和6年5月25日以降は国土交通大臣免許の申請ルートにも変更があり、大臣免許業者は都道府県経由ではなく、直接、関東地方整備局へ申請書類を提出する扱いになっています。

免許取得後の営業保証金・保証協会

免許を受けても、それだけでは営業を開始できません。営業保証金を法務局に供託するか、保証協会に加入する必要があります。

  • 供託の場合:本店1,000万円、支店500万円
  • 保証協会加入の場合:弁済業務保証金分担金として本店60万円、支店30万円(このほかに保証協会への入会金等が別途必要です)

供託は多額の現金が必要になる一方、保証協会に加入すれば分担金は少額で済みますが、入会金等を含めるとトータルで百数十万円程度かかることが一般的です。研修や書式の提供、業界内のつながりなど実務面のメリットも大きいため、独立・開業する方の多くは保証協会への加入を選んでいます。

免許を受けた日から3ヶ月以内に、供託または保証協会加入の届出を行う必要がある点も忘れずに押さえておいてください。

  • 申請手数料は33,000円(千葉県収入証紙、または電子納付での支払いが可能です)

ここまでが、不動産会社を作るまでの3ステップの2.許認可取得となります。次回は3.営業保証金等支払について解説します。お楽しみに。

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