「休みをいただいております」は間違い?正しい敬語表現と言い換え例

このカテゴリーでは、「間違いやすい言葉を正しい言葉に」をコンセプトに、普段何気なく使っている言葉の中で、実は誤って使ってしまっている表現を、正しい日本語に直していきます。美しい言葉づかいは、お客様からの信頼に直結する大切なビジネススキルです。人材育成・新人研修の一環としてもぜひご活用ください。

それでは、今回のテーマです。

シーン:お客様からの電話対応

外線電話が鳴り、社員が対応します。

社員「お電話ありがとうございます、株式会社LiFでございます」

顧客「大橋さん、お願いできる?」

社員「大橋は、本日休みをいただいております」

……実はこれ、NGな敬語表現です。

正しい言い方

社員「大橋は、本日休みを取っております」

さらに一歩進めて、次のような対応ができるとお客様の満足度もぐっと上がります。

社員「大橋は、本日休みを取っております。もし差し支えなければ、私が代わりにお話を伺いますが、いかがでしょうか」

社員「大橋は、本日休みを取っております。明日には出社予定ですので、折り返しのご連絡でもよろしいでしょうか」

「休みだから終わり」ではなく、その先の一言があるかどうかで、お客様に与える印象は大きく変わります。

なぜ「いただく」がNGなのか

「いただく」は「もらう」の謙譲語です。謙譲語は、自分がへりくだることで、相手を立てる敬語表現。使うべき場面は、相手から何かしらの行為・恩恵を受けたときです。

例えば、

  • 「皆様からご好評をいただきまして」
  • 「貴重なお時間をいただき、ありがとうございました」

このように、相手起点の行為に対して感謝を述べる場合には自然な表現です。

社内であれば問題ない

休みを取った本人が、上司や同僚に対して

「昨日はお休みをいただきまして、ありがとうございました」

と言うのは問題ありません。これは、休暇を許可してくれた会社・上司に対する感謝の気持ちを込めた、正しい謙譲表現だからです。

社外の人に対してはNG

しかし、今回のケースは「社外のお客様」に対する説明です。休暇を許可したのはお客様ではありませんし、休暇の取得自体もお客様とは無関係です。それにもかかわらず「休みをいただいております」と言ってしまうと、

  • 誰に対して「いただいた」のか主語が曖昧
  • 結果として、まるでお客様(=社外の人)に対して敬語を使っているかのように聞こえる

という、不自然で回りくどい印象を与えてしまいます。

現代のビジネスシーンでも要注意な理由

近年はチャットツールやビジネスメール、留守番電話の自動応答メッセージなど、テキストで応対状況を伝える機会も増えています。

  • 社内チャットの「本日休み」ステータス表示
  • 自動音声応答(IVR)や不在時のメール自動返信文
  • 採用面接や社外パートナーとのオンライン商談の日程調整メール

こうした場面でも、「担当者は本日休みをいただいております」という表現をテンプレート文言としてそのまま使ってしまっているケースを見かけます。文章として残る分、誤った敬語は口頭以上に相手の記憶に残りやすいため、テンプレート文言こそ一度見直しておくことをおすすめします。

まとめ:気をつけたい3つのポイント

  1. 「いただく」は社内向け、社外には「取っております」 を基本に使い分ける
  2. 休みであることを伝えるだけで終わらせず、代わりの対応や次のアクションを一言添える
  3. 電話だけでなく、チャットやメールの自動応答文言も同じ観点で見直す

正しい敬語は、堅苦しさのためではなく、相手への配慮を的確に伝えるための道具です。小さな言葉づかいの積み重ねが、会社全体の信頼につながります。

では、また次回!「間違いやすい言葉を正しい言葉に」

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コメント

コメント一覧 (1件)

  • […] そもそも名前は誰のもの?かというと相手のものであって、尚且ついただけるものではありません。「頂戴する」は以前にご紹介した「いただく」と同様「もらう」の謙譲語となります。つまり、「お名前をもらえますか」と言っているのと同じです。変ですね。「名前はあげられません」って言われるかもしれません。 […]

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