はじめに
このマニュアルは、不動産営業1年目の社員が「物件の売却を依頼された際」に必要な初期対応を理解し、スムーズに業務を進めるためのガイドです。売主様との信頼関係を深めながら、的確に情報を収集・伝達し、次のステップにつなげていくことを目的としています。不動産の仕事は、「売ります」「買います」という人たちをつなぐことから始まります。なかでも、物件を「売りたい」というお客様から相談を受けたとき、営業担当としてどう動けばよいのか。その第一歩を解説します。
1|売却依頼は信頼関係から始まる
特に投資物件の売却依頼は、たまたま来店された方からというより、普段から付き合いのあるオーナー様や投資家の方からいただくケースが多いです。日頃からしっかり信頼関係を築いていると、「売るときはあなたに」と言っていただける可能性が高まります。物件の管理を任せてもらっている場合は、将来的にその物件の売却相談を受けるチャンスもあるということ。つまり、管理業務も立派な営業活動の一部。日々のやり取り一つひとつが、次の仕事につながっていくと考えましょう。
【ポイント】
- 売却依頼は、飛び込みのお客様ではなく、既存のオーナー様や投資家など、日頃からの関係性があるお客様から発生することが多い。
- 管理物件のオーナー様から依頼を受けることもあるため、日々の管理対応も営業活動の一環と考えること。
2|売却相談を受けたらまず行うこと
① ヒアリング(面談または電話)
売却の相談を受けたら、いきなり査定や契約書の話に入るのではなく、まずはじっくり話を聞くことが大切です。雑談を交えながら、以下のような情報を自然に聞き取りしてみてください。
【ヒアリング項目チェックリスト】
- 物件の基本情報(所在地・種類・面積など)
- 希望売却価格
- 残債の有無とその金額
- 売却希望時期(いつまでに売却したいか)
- 現在の物件状況(自社管理物件でない場合は特に)
- 売却理由(相続・資産整理・住み替えなど)
3|売主様へ伝えるべき基本情報
ヒアリングの後、以下の点について売主様にしっかり説明しておきましょう。
【伝達項目チェックリスト】
- 売却の基本的な流れ
- 査定 → 媒介契約 → 販売活動 → 売買契約 → 決済・引渡し
- 相場価格の目安
- 高すぎる価格では売れにくくなること
- 売却には一定の時間がかかること
- 売却希望時期によっては価格調整が必要な場合があること
【注意点】
- 安易に売主の希望価格に迎合しないこと。
- 相場から外れた希望には丁寧に根拠を示し、リスクを説明すること。
4|次回までにお願いしておく書類
ヒアリング後、以下の書類をお借りできるよう、売主様にお願いしましょう。取得できると後工程がスムーズになります。
【依頼しておきたい書類リスト】
- 過去の売買契約書
- 重要事項説明書(購入時のもの)
- 建築確認済証・検査済証
- 設計図書(平面図・立面図など)
- 賃貸中の場合:賃貸借契約書(入居者との契約書)
- その他:固定資産税納税通知書、公図、測量図など
【補足】
- 書類は原則コピーをお預かりするか、スキャンしてPDF化。
- 内容はそのまま使わず、法令や状況の変化を踏まえて自社で再確認する。
5|まとめと次のアクション
売却の初期対応が丁寧であればあるほど、その後の営業活動がスムーズになり、クレームやトラブルを防ぐことができます。
【次回アポイントまでに行う社内準備】
- 物件の簡易査定(相場調査)
- 媒介契約書の素案作成
- 必要書類の整理状況確認
- 社内での共有(上長報告またはCRM登録)
おまけ|会話のテンプレート例
▼ 売主様への初回ヒアリング時のトーク例
「いつもありがとうございます。今回、物件のご売却についてご相談いただいたとのことで、まずは状況をお伺いできればと思います。希望されるご売却時期や価格のイメージなど、ざっくばらんに教えていただけますか?」
▼ 書類依頼のトーク例
「次回の打ち合わせまでに、ご自宅に保管されている契約書類などがありましたら、拝見させていただけますと助かります。内容を確認することで、より正確なご提案ができるようになります。」
不動産の売却相談は、ただ「物を売る」話ではなく、信頼をベースにしたコミュニケーションが大切です。最初のヒアリングと説明を丁寧に行うことで、信頼が深まり、スムーズな取引につながります。
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