「雨の日が続いております」は間違い?正しい敬語表現を解説

顧客「大橋さん、では明日10時に伺います」

社員「はい、木村様、明日10時にお待ちしております。雨の日が続いております、足元には十分にお気をつけ下さい。」

顧客「ありがとうございます。それでは」

一見、丁寧で問題のないやり取りに見えるかもしれません。しかし、この「雨の日が続いております」という表現、実は少し違和感のある使い方なのです。

「おります」は誰の動作に使う言葉か

「おります」は「いる」の謙譲語です。謙譲語とは、自分側の動作をへりくだって表現することで、相手への敬意を示す言葉遣いです。

たとえば、

・「ご迷惑をおかけしております」

・「お待ち申し上げております」

・「担当しております大橋と申します」

このように、自分の動作や自分の状態に対して使うのが謙譲語の基本的なルールです。

では、今回の「雨の日が続いております」はどうでしょうか。これは自分の動作ではなく、天気という自然現象についての描写です。天気に対して謙譲語を使うというのは、文法的にはやや不自然な組み合わせになります。意味は十分に通じますし、日常会話であれば気づかれないことも多いのですが、ビジネスの場、特にお客様との文書やメールのやり取りでは、正確な言葉遣いを意識したいところです。

正しい表現とは

適切な表現としては、シンプルに

「雨の日が続いています、足元には十分お気をつけ下さい。」

とするのが自然です。「〜ております」ではなく「〜ています」を使うことで、天気という客観的な事実を述べる文として違和感がなくなります。

謙譲語を多用してしまう背景には、「丁寧に話さなければ」という意識の高さがあります。それ自体は悪いことではなく、むしろお客様への配慮の表れです。ただ、丁寧さを追求するあまり、文法的に不自然な組み合わせになってしまうケースは実務の現場でも非常によく見られます。

なぜこうした言い間違いが起きるのか

これは心理学的に見ても興味深い現象です。人は「丁寧に話したい」という目的意識が強くなるほど、無意識に「謙譲語を増やせば増やすほど丁寧になる」という思い込みに陥りやすくなります。実際には、敬語は「誰の動作か」「誰の状態か」という主語を正しく認識した上で使い分けることが本質であり、単純に謙譲語の数を増やせば丁寧になるわけではありません。

不動産業のように、契約書や重要事項説明など正確な言葉の運用が求められる業界では、こうした細かな言葉の癖が、お客様からの信頼に影響することもあります。特にメールやチャットなど文字として記録が残るコミュニケーションが主流になった近年は、話し言葉のクセがそのまま文章に表れやすく、後から読み返された際に違和感として残ってしまうことも少なくありません。

実務での使い分けのコツ

迷ったときの簡単な判断基準は、「主語が自分(または自社)かどうか」を確認することです。

・自分の行動 → 謙譲語(おります、いたしております)

・天気・状況・一般的な事実 → 丁寧語(〜ています)

たとえば、

「ご案内しております」(自分の行動)

「本日は晴れています」(天気の事実)

「大変混雑しております」→ これは少し注意が必要な例です。「混雑」は現象そのものですが、「ご案内の状況をお伝えしている」というニュアンスであれば許容されるケースもあり、日本語の敬語は文脈依存の側面も強いことを覚えておくとよいでしょう。

まとめ

「雨の日が続いております」は、意味は通じるものの、厳密には謙譲語の使い方としてやや不自然な表現です。正しくは「雨の日が続いています」とするのが自然な日本語になります。

こうした細かな言葉遣いの積み重ねが、お客様や取引先からの信頼につながっていきます。特に不動産業やお客様対応が多い business では、日々のちょっとした一言こそが、会社全体の印象を左右することも少なくありません。

季節の変わり目、体調を崩しやすい時期でもあります。雨の日が続いています、水分補給はこまめに、熱中症にも十分お気をつけください。

今日も笑顔で~♪ では、また次回!

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