健康保険・厚生年金保険の基礎知識

健康保険・厚生年金保険の基礎知識

(会社で働くうえで必ず知っておくべき社会保険制度)


目次

1. 社会保険とは?

いくつか種類がありますが、会社員の場合は特に以下の2つが重要です。

  • 健康保険(病気やケガのときの医療費をカバー)
  • 厚生年金保険(老後や障害があるときの生活を支える)

※他にも、国民健康保険、国民年金、介護保険、労災保険、雇用保険などがあります。


2. 健康保険(病気やケガをカバーする制度)

(1) どんな制度?

健康保険は、病気・ケガ・出産・死亡などのときに医療費や手当金を受けられる制度です。
病院で保険証を見せると、自己負担は原則3割(子どもは2割または無料)になります。
例えば、1万円の医療費でも、自己負担は3,000円で済みます。

(2) 運営しているところ(保険者)

  • 協会けんぽ:中小企業などが加入する全国健康保険協会が運営
  • 健康保険組合:大企業やグループ会社が独自に運営

(3) 会社が加入する条件

  • 法人(会社):必ず加入(強制適用事業所)
  • 個人事業(従業員5人以上):必ず加入
  • 個人事業(従業員4人以下):希望すれば加入可(任意適用事業所)
  • 飲食業・旅館業・理美容業・農林漁業など:従業員数に関係なく希望で加入可

(4) 保険に入る人(被保険者)

会社が健康保険に加入すると、原則すべての従業員が自動的に加入します。
ただし、パート・アルバイトの場合は、勤務時間や日数が一定以上でないと加入できません。

  • 基本ルール:一般社員の勤務時間の 4分の3以上(例:週30時間以上勤務)
  • 特例ルール:週20時間以上勤務+一定条件(年収88万円以上、学生でない、雇用期間2ヶ月超など)
    → 会社規模によって順次対象拡大中(2024年時点では従業員50人以上の会社も対象)

(5) 保険料の計算

  • 会社と本人で半分ずつ負担
  • 「標準報酬月額」という給与の等級をもとに計算
  • 協会けんぽの例(介護保険なし):標準報酬月額 × 9.79%
    (40歳以上は介護保険料1.59%が追加 → 合計 11.38%)

以下は弊社が加入している協会けんぽの千葉支部令和7年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料表です。

例えば総支給で249,000円の従業員がいる場合の健康保険料の標準報酬の等級は19となり標準報酬月額は240,000円となります。当該従業員が40歳以上の場合、健康保険料率9.79%と介護保険1.59%を加えた11.38%を折半します。従業員の給与から健康保険料と介護保険料を併せた13,656円を控除して給与支払いします。


3. 厚生年金保険(老後や障害の生活を支える制度)

(1) どんな制度?

厚生年金は、老後・障害・死亡時に年金を受けられる制度です。
65歳からは国民年金(老齢基礎年金)と厚生年金(老齢厚生年金)の両方がもらえます。

(2) 運営しているところ

  • 保険者:日本年金機構

(3) 加入条件

健康保険とほぼ同じ。会社が厚生年金の適用事業所なら、原則すべての従業員が加入。

(4) 保険料

  • 会社と本人で半分ずつ負担
  • 標準報酬月額 × 18.3%(本人負担は半分の9.15%)

先程の協会けんぽの千葉支部令和7年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料表の右側に記載がありますので併せてご確認ください。


4. 子ども・子育て拠出金

  • 目的:児童手当の財源の一部を会社が負担
  • 負担するのは会社のみ(従業員の給与からは引かれません)
  • 計算式:標準報酬月額 × 0.36%

5. 扶養(家族も保険に入れるしくみ)

(1) 被扶養者とは?

保険料を払わなくても、被保険者(本人)と同じ給付を受けられる家族のことです。
※所得税の扶養控除とは別の制度です。

条件の一例

  • 年収130万円未満(60歳以上は180万円未満)
  • 本人の収入の半分未満
  • 親族であること(配偶者・子・両親など)

(2) 「130万円の壁」とその対応

収入が一時的に増えても、事業主が証明すれば扶養継続できる制度(2023年10月~)が始まりました。


6. 国民健康保険と国民年金

国民健康保険

  • 自営業・フリーランス・無職などの人が加入
  • 市区町村が運営
  • 世帯ごとに加入し、世帯主が手続き

国民年金

  • 日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が対象
  • 第1号:自営業や無職
  • 第2号:厚生年金の加入者
  • 第3号:第2号被保険者に扶養されている配偶者(保険料負担なし)

まとめポイント

  • 会社員は、基本的に健康保険+厚生年金保険に加入する
  • 保険料は会社と本人で半分ずつ
  • 扶養に入れると、家族の保険料負担がゼロになる
  • 国民健康保険・国民年金は会社員でない人が加入する

参考になる本としては、以下の書籍は図解も多くておすすめです。

その他の経理総務実務に関しては以下のボタンより併せてご確認ください。

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