渋谷神泉に新名所「QLINK渋谷神泉」(クリンク渋谷神泉)誕生へ

― 東急不動産が仕掛ける“裏渋谷”ナイトタイムエコノミーの本格進化

2025年12月10日、渋谷の中でも独特の文化と空気感を持つ「神泉エリア・裏渋谷通り」に、新たな飲食ビル 「QLINK渋谷神泉」 がオープンします。
運営するのは東急不動産。
再開発が加速する渋谷の中でも、「夜の魅力」を深掘りする施設として注目を集めています。

今回は、このニュースを
不動産・飲食・マーケティング・街づくり の視点から、誰も傷つけない形で丁寧に解説していきます。


目次

“界隈性”を高める再開発 ― いま、渋谷に必要とされていたピース

渋谷の再開発は「100年に一度」と形容されるほど規模が大きく、駅周辺では大型の商業施設・オフィスが次々に誕生しています。
一方で、昔ながらの飲食店が路地裏に根強く残る神泉・円山町は、
“渋谷のグラデーション”を作り出す大切なエリア とも言えます。

東急不動産が今回この神泉エリアに新しい飲食ビルを整備した背景には、

  • 観光客の滞在時間の延伸
  • 夜間の回遊性向上
  • 昼と夜の魅力の明確化
  • 老舗と新店が共存する“渋谷らしさ”の継承

こうした視点があります。

飲食店経営に携わる者として感じるのは、
「ただ新しいビルを建てる」のではなく、「エリアの魅力を深める」開発になっている点 です。
QLINKは高層の複合施設ではなく、地下から8階までを飲食店で構成する“街に溶け込んだフォルム”。
大規模再開発とは異なる、界隈性を補強するタイプのまちづくりと言えるでしょう。


“乾杯の音”がコンセプト —— 名前が象徴する、人と街をつなぐ場づくり

名称の「QLINK」は、グラスを合わせる音=“clink”が由来。
「乾杯」をイメージの中心に置いた施設は、日本でもあまり例がありません。

乾杯は、

  • 人と人の距離が一気に縮まる瞬間
  • 観光客が“旅が始まった”と感じる象徴
  • 街の記憶が刻まれる儀式

でもあります。

このコンセプトには、
“街で過ごす人の時間を豊かにしたい”という東急不動産の意図が丁寧に反映されている と感じます。


多様な店舗構成が象徴する“いまの渋谷のリアル”

テナント構成を見ると、「夜を楽しむ大人」がターゲットの中心になっていることが分かります。

● 7–8F:ネオスナック「サーティーエイト シブヤ」

洗練された空間で大人が静かに乾杯できる場所。
神泉らしい“粋な夜の過ごし方”を体験できる空間です。

https://www.instagram.com/thirty_eight_snack_shibuya

● 6F:レトロなスナック「Ribbon 円山町」

昭和歌謡から平成ソングまで楽しめる、ノスタルジックな社交場。
渋谷の“若者の街”というイメージと、裏渋谷の“大人の顔”をうまく接続しています。

● 5F:PERFECT BEER KITCHEN

注ぎ方のパフォーマンスまで楽しめる、本気のビール専門店。
クラフトビールカルチャーが定着した渋谷で、強い存在感を放つはずです。

https://www.instagram.com/perfect_beer_kitchen_shibuya

● 3–4F:ロティサリー×焼酎・日本酒「RINN」

“ライブ感のある火入れ”と“和の酒”という構成は、インバウンドにも強い。
訪日客にも評価されやすい店舗です。

● B2–B1F:UTOPIA/DYSTOPIA

円山町のクラブカルチャーを正統に受け継ぐ空間。
音楽好きの大人と感度の高い若者が混じり合う、渋谷らしい“揺らぎ”を感じます。

UTOPIA DYSTOPIA
UTOPIA DYSTOPIA 2025/12/10 DJ Bar&am […]

ナイトタイムエコノミーが街を育てる

渋谷は若者の街のイメージがある一方、
「大人が安心して夜を楽しめるスポット」が実はそこまで多くありません。

今回のQLINK渋谷神泉は、
“渋谷で働く人・暮らす人・遊びに来る人が同じテーブルに座れる場所”
を目指す施設。
これは、夜間消費を増加させるだけでなく、
街全体の居心地の良さを底上げする取り組みとも言えます。

夜の賑わいは、ときにネガティブに語られることもありますが、
適切にデザインされたナイトタイムエコノミーは、
街の文化・観光・経済を底支えする大きな資産 にもなります。

実際、世界の都市を見ても、
夜の顔が魅力的な街は“選ばれる街”であり続けています。


渋谷は「住む」「働く」「遊ぶ」が混ざり合う都市へ

今回の開業は、単なる飲食ビルのオープンではありません。
渋谷の街づくりの文脈では、

  • インバウンド需要の回復
  • ワーキングプレイスの多様化
  • ローカル文化の保全
  • 大型施設だけに頼らない“地層的なまちづくり”

といった点で大きな意味を持ちます。

私自身、不動産業者として都市開発を見てきましたが、
QLINK渋谷神泉のように“エリアの個性を尊重した開発”は、
街の寿命を延ばします。

また飲食店を営む立場からすれば、
大人が安心して過ごせる夜のスポットが増えることは、地域全体の価値向上につながる
と強く感じます。


まとめ:乾杯が街をつなぎ、街が人をつなぐ

QLINK渋谷神泉は、
“乾杯=CLINK”を軸に、人と人、そして人と街をつなぐ場所として誕生します。

渋谷が目指す「LIFE LAND SHIBUYA」の中でも、
夜の時間帯を豊かにする役割を担い、
これからの広域渋谷圏の象徴的存在になっていくはずです。

渋谷の新しい夜の楽しみ方が、
またひとつここから生まれそうです。

出典:東急不動産株式会社 https://www.tokyu-land.co.jp/news/uploads/d788b8b12d1e03d2e72df7a9cb97020089820a9d.pdf

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