2026年3月、株式会社オープンハウスグループが、子会社の株式会社オープンハウス米国不動産事業において「年間取引数・取扱高No.1」を6年連続で獲得したというニュースが発表されました。
さらに、米国不動産業界で権威ある「IMN SFR Awards」において、米国子会社がオペレータ部門(SFR/BTR Operator of the Year(Local/Regional))で全米1位を受賞。
これは単なる販売実績の話ではありません。
日本の不動産会社が“アメリカ現地の管理部門”で評価されたという点に、私は大きな意味を感じています。
今日はこのニュースを、経営・投資・市場構造の観点から整理してみたいと思います。
なぜ6年連続No.1は意味があるのか?

不動産ビジネスは「単年の花火」は打ち上げられても、継続的な成果を出すのは簡単ではありません。
今回の調査によると、
- 年間取引数:1,420件
- 取扱高:943.9億円
これを6年間継続している。
ここで重要なのは「数字の大きさ」よりも、
『再現性のある仕組みを構築できているかどうか』
です。
海外不動産は、
- 為替リスク
- 法制度の違い
- 管理の難しさ
- 税務の複雑さ
といった不確実性を抱えます。
その中で一貫した成長を続けられているのは、単なる営業力ではなく、ビジネスモデルの設計が機能している証拠だと思います。
真に評価すべきは「管理部門での全米1位」
私が特に注目したのは、「IMN SFR Awards」での受賞です。
販売会社が評価されることは珍しくありません。
しかし、“管理オペレーター部門での全米1位” というのは別次元です。
不動産投資において本当に難しいのは、
買うことではなく、持ち続けること。
入居率、修繕対応、家賃回収、トラブル対応。
ここが崩れると、投資は一気にストレスに変わります。
「日系企業ならではのきめ細やかな管理」とありますが、これは文化的強みでもあります。
日本企業は、
- オペレーション設計
- クレーム対応
- 継続改善
が非常に得意です。
もしそれがアメリカ市場で評価されたのであれば、それは単なる日系向けビジネスではなく、現地市場で通用している証拠と言えるでしょう。
なぜ今、日本人が米国不動産に向かうのか?
背景には構造的な理由があります。
① 円安による資産分散意識の高まり
円資産だけを持つリスクは、ここ数年で多くの人が実感しました。
② 日本の人口減少
国内不動産は選別の時代に入りました。
③ 米国の人口増加と賃貸需要
特にSFR(戸建賃貸)やBTR(Build To Rent)は、ファミリー層需要が堅調です。
単なる“海外だから良い”という話ではなく、
マクロ構造の違いが投資対象を変えている
ということです。
ただし、過信は禁物
ここで冷静でいたいのは、
「No.1だから安心」という思考停止に陥らないこと。
市場調査は指定領域内の評価です。
為替は変動します。
アメリカ経済も循環します。
投資は常に自己責任。
私は海外不動産を肯定も否定もしません。
大切なのは、
自分のポートフォリオの中でどんな役割を担わせるのか。
これを明確にすることです。
ワンストップモデルの強みと課題

同社は仕入・販売・管理・売却まで一貫体制を敷いています。
これは
- 情報の一元化
- 顧客体験の向上
- 収益最大化
という点で大きな強みです。
一方で、
- グループ依存度が高まる
- 価格の透明性への目線は必要
という視点も持つべきでしょう。
経営の世界では、
強みは、角度を変えればリスクにもなる。
これは哲学的ですが、真実です。
不動産会社として感じること
私は不動産業を営む一人として、このニュースを非常に前向きに受け止めています。
なぜなら、
日本企業が海外市場で正当に評価されることは、
業界全体の信頼を底上げするからです。
海外不動産は一部では怪しいイメージを持たれがちでした。
しかし、透明性と管理力が伴えば、それは「分散投資の選択肢」になり得ます。
まとめ|アメリカ不動産を“身近”にするとは何か?
同社のミッションは
「アメリカ不動産をもっと身近に」。
私はこの言葉をこう解釈します。
情報格差をなくし、管理の不安を減らし、出口まで見せること。
投資は勇気ではなく、理解から始まります。
6年連続No.1という結果は、その努力の積み重ねでしょう。
ただし、私たち投資家が持つべき姿勢はいつも同じです。
・熱狂しない
・否定もしない
・構造で考える
海外不動産は「夢」ではなく「戦略」です。
そして戦略は、冷静な思考からしか生まれません。
今回のニュースが、皆さんの資産形成を考えるきっかけになれば幸いです。



出典:https://openhouse-group.co.jp/news/release/pdf/20260302_1.pdf

