【不動産登記「国籍」記入義務化へ】マンション高騰時代に必要な透明性とは?

近年、日本のマンション価格は全国的に高騰を続けています。とくに東京では「新築は億ションが当たり前」という声も聞こえるほどで、不動産業界に身を置く私としても、肌で価格上昇を実感しています。そんな中、政府が新たに検討を始めたのが不動産登記の際に「所有者の国籍記入を義務化」する動きです。

今回は、発表されたニュースをもとに、
「市場にどんな影響があるのか?」
「消費者にとってメリット・デメリットは?」
「そもそも外国人の不動産購入はどれくらいあるのか?」
このあたりを、できる限りフラットな視点で解説します。


目次

なぜ今「国籍記入の義務化」なのか?

国土交通省が行った調査によると、2024年1月〜6月に東京都内で新築マンションを購入した人のうち、外国に住所を置く人の割合は約3%。
数字だけ見ると「想像より少ない」と感じる人もいるでしょう。

では、なぜ政府はあえて「国籍」を記入させる方向に動くのか。

理由は大きく2つあります。


① 市場の透明性を高めたい

不動産は国民の生活基盤であり、資産形成の根幹でもあります。
その流通状況がブラックボックス化してしまうと、市場の健全性が保てません。

日本は今、
・住宅価格の高騰
・投資用としての購入増加
・空き家問題
・土地の適切な利用
など課題が多く、政府としても 「誰がどれくらい買っているか」 を精緻に把握したいのが本音です。

国籍記入は、その第一歩に過ぎません。


② 海外投資家の動向を正確に掴むため

日本の不動産は「比較的安定した資産」として海外投資家から人気で、
とくに超富裕層にとってはディフェンシブ資産の一つです。

しかし、今までは外国人名義の購入がどれほどあるか、
「正確に把握できる仕組みがなかった」
という問題がありました。

今回の国籍記入義務化は、
決して排除や制限を目的としたものではなく、
実態を“見える化”するための作業といえます。


国籍記入義務化でマンション価格はどう動く?

読者の方が一番気になるのはここかもしれません。

結論から言うと、
この政策単独で価格が動くことはほぼありません。

理由は以下の通りです。


● 外国人購入者の割合は現状では少数

都心でも3%前後。
地方都市ではもっと低く、
投資家が大量に買い付けて価格を上げている構造ではありません。

価格高騰の主因は、
・建築費の上昇(資材・人件費)
・土地取得費の上昇
・人口減地域での供給縮小
・都心のブランド化
など、別の要因が大きいのです。

つまり今回の制度は、
価格抑制目的ではなく、市場データの精度向上が狙いです。


● 長期的には「安心材料」になる可能性

市場の透明性が高まると、
・政策判断がしやすくなる
・不動産取引に対する不安が減る
・海外資本の偏在を抑制できる
など、結果としてより健全な市場形成が期待できます。

これは日本の不動産にとってプラス要素と言えるでしょう。


外国人投資家=悪ではない

このテーマになると、一部ネットでは過激な議論が起きがちです。

しかし私のスタンスは明確です。

「外国人が不動産を買う=悪」
という構図は成り立ちません。

むしろ、適切なルールのもとで海外資本が入ることは、
・日本の不動産価値の国際的な信頼につながり
・地方の空き家再生などの可能性も広がり
メリットも多いと考えています。

重要なのは「バランス」と「透明性」です。

今回は、透明性を高める方向の制度なので、
市場全体にとっては前向きな一歩だと感じています。


個人のプライバシーはどうなる?

国籍記入と聞くと、
「プライバシーの侵害では?」
「差別につながらないか?」
と心配する声もあります。

しかし、今回の制度設計には
差別防止・個人情報保護が前提として組み込まれている
ことが重要です。

・国籍によって取引を制限する意図はない
・情報は行政が市場分析のために利用する
・一般取引で“国籍による不利益”が生じないよう運用される
という方向で議論が進んでいます。

不動産業界の立場としても、
「誰でも安心して売買できる市場づくり」
が最も大切です。

制度の運用に関しては、
今後の詳細をしっかりチェックしていく必要があります。


このニュースから読み取れる「これからの不動産市場」

今回のニュースは、小さな制度改正に見えますが、
実は次の3つの流れを象徴しています。


① 不動産市場の「データ化」が進む

これまで日本の不動産市場は“紙文化”が残り、
統計的なデータが少ないと言われてきました。

国籍記入はデータ化の一環で、
これからはさらに次が進むでしょう。

・不動産ID制度
・取引データの一元管理
・土地所有者の明確化

市場が透明になるほど、消費者の安心感も高まります。


② 海外投資家の存在がより明確に

誰がどこを買っているのか、
偏りがないか、地方と都市でどう違うか。

これらが明確になることで、
政策判断の質が上がります。

地方創生にもダイレクトに効いてくるテーマです。


③ 国内投資家も「情報格差が減る」

透明性が上がれば、
・個人投資家
・不動産会社
・金融機関
すべてがより合理的な判断をしやすくなります。

結果として、
市場が中長期的に安定していく方向に動く
と私は見ています。


総括

今回の「国籍記入義務化」は、
決して“誰かを排除する”ための制度ではなく、
市場を健全にするための透明化の一手です。

海外資本を正しく理解し、上手に付き合っていくことは、
これからの日本の不動産市場に不可欠です。

そして透明性が高まることは、
・マンション購入を検討している一般消費者
・土地を売りたい地元の方
・不動産会社
すべてにとってプラスに働くと私は考えています。

日本の不動産市場は今、
価格高騰・人口減少・空き家増加という転換点にあります。
だからこそ、実態を正確に把握し、
データに基づいた議論ができる環境は重要です。

今回の政策は、その大きな一歩になるでしょう。

出典:ANNニュース https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000467908.html

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次