LIFULL HOME’Sが音声接客AIを導入|家づくり相談は“人に会う前”が勝負になる時代へ

2026年2月、住まい選びの大手サービスであるLIFULL が運営するLIFULL HOME’S の「住まいの窓口」に、音声接客AIエージェントが導入されました。

今回採用されたのは、ZEALS が提供するOmakase AI。

家づくりという人生最大級の意思決定において、「いきなり人に相談するのは不安」という心理的ハードルをどう下げるか。
この問いに対する、一つの時代的な答えが提示されたと言えるでしょう。


目次

なぜ「相談前の不安」が最大のボトルネックなのか?

住宅購入や注文住宅は、保険や結婚式以上に「わからないことだらけ」の世界です。

・何から聞けばいいのか分からない
・営業されそうで怖い
・知識不足を見透かされそう
・まだ本気じゃないのに相談していいのか不安

実はこれらは、合理的な不安ではありません。
“心理的安全性の不足” が生み出す感情です。

人は、「知らないこと」よりも「知らないと思われること」を恐れます。
だからこそ、多くのユーザーがサイトを訪れても、相談予約に進まず離脱してしまう。

ここにAIを置くという発想は、極めてマーケティング的に正しい一手です。


音声接客AIがもたらす3つの変化

1. 「検索」から「対話」への進化

従来はFAQを読み、比較し、自分で解釈する必要がありました。
しかしAIは、文脈を理解しながら会話で整理してくれます。

これは単なる利便性向上ではありません。

“思考の壁打ち相手”が常にいる状態 をつくること。

人は、話すことで自分の考えが明確になります。
このプロセスを予約前に提供するのは、大きな価値です。


2. 「営業されるかも」という恐れの軽減

人間相手だと、どうしても“売られる側”という構図が生まれます。
しかしAI相手なら、心理的圧力はほぼゼロ。

ここが非常に重要です。

購買プロセスにおいて、
最初の接点が“安心”であるかどうか は、その後の意思決定を大きく左右します。

AIは売り込まない。
まず理解する。

この順番を守れる点で、AIはむしろ人間より誠実です。


3. 人間アドバイザーの価値が上がる

AI導入で「人の仕事が減る」と考えるのは早計です。

むしろ逆です。

AIで事前整理された相談は、
アドバイザーとの面談をより濃密な時間に変えます。

・予算感
・検討エリア
・悩みの本質

これらが言語化された状態でスタートできる。
結果として、人間の専門性がより活きる

AIは代替ではなく、前座。
主役はあくまで人間です。


これは「住宅業界のDX」ではなく「心理設計の進化」

今回の取り組みを、単なるデジタル化と見るのは浅い理解だと思います。

本質は、

「人に会う前の不安」をどう扱うか

という、極めて人間的なテーマへの挑戦です。

家づくりは、数字の問題ではありません。
未来の暮らしを想像する行為です。

だからこそ、最初の一歩は慎重になる。

その一歩目を、
「人」ではなく「安心できる対話体験」にする。

これは、時代に合った“おもてなし”の形なのかもしれません。


住宅業界への示唆

この流れは、今後広がるでしょう。

・不動産売却相談
・リフォーム相談
・不動産投資相談

いずれも「いきなり人は怖い」という構造を抱えています。

相談前のAI接客は、
“顧客育成(ナーチャリング)装置” として機能します。

問い合わせを増やすためではなく、
「納得してから会う」ための装置。

この思想は、業界全体に影響を与える可能性があります。


ただし忘れてはいけないこと

AIは万能ではありません。

・複雑な感情の揺らぎ
・人生背景の深い事情
・本音と建前の間

これらを完全に理解できるのは、やはり人間です。

AIは入口を整える存在。
出口の決断を支えるのは、人間。

このバランスを崩さないことが、今後の鍵になるでしょう。


まとめ|家づくりは「相談する勇気」から始まる

LIFULL HOME’S 住まいの窓口 が今回示したのは、

「相談そのものを価値ある体験にする」という思想です。

家づくりは、建物を買うことではありません。
未来の時間を選ぶことです。

その最初の一歩が、
緊張ではなく安心であるなら。

それはきっと、より納得のいく選択につながるはずです。

テクノロジーが進化しても、
最後に大切なのは“人の安心”。

今回の取り組みは、
その本質を忘れないための、静かな革新だと私は感じています。

出典:https://lifull.com/news/47330/

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