今日は、不動産業界で少し気になるニュースが飛び込んできました。それは、横浜で防犯機能を大幅に強化した分譲戸建ての販売が始まったという話題です。販売するのはリストグループの「リストホームズ」。実は、私もリストグループで20年近く働いていたので、ちょっと感慨深いニュースでもあります。
物件の名前は「LIST GARDEN 横濱桜木町」。全14棟の分譲戸建てで、最寄り駅は桜木町駅から徒歩12分、京急の戸部駅から徒歩8分という、都心へのアクセスも便利な立地です。
では、このニュースをどう読み解くべきか。今日は、「防犯性能を強化した分譲住宅」というキーワードに焦点を当てながら、背景、ターゲット層、そして今後の住宅トレンドについて私の視点をお伝えします。
なぜ今、防犯性能が重視されるのか?
近年、日本は「世界でも有数の安全な国」と言われながらも、住宅の防犯意識は確実に高まっています。その背景には、いくつかの要因があります。
- 共働き世帯の増加
昼間は誰も家にいない家庭が増えています。そのため、空き巣や侵入窃盗への不安は根強いものがあります。 - 高級住宅への需要拡大
今回の物件価格帯は1億3,000万円台~1億6,000万円台。完全に高級ゾーンです。この価格帯の物件を購入する層は「安全・安心」への投資を惜しまない人たち。家族の安心をお金で買う、という感覚が強まっています。 - デジタル化による防犯の進化
昔は「オートロック付き」や「TVモニターホン」が防犯の象徴でしたが、今はAIカメラ、動体検知、自動録画など、ハイテク技術を取り入れることで、より高度なセキュリティが可能になっています。
リストホームズは、この時代の流れをうまく捉えて「防犯性能の高さ」を一つの大きなセールスポイントにしてきました。
「神奈川県セキュリティ・ホーム認定」って実際どうなの?
今回の物件は、「神奈川県セキュリティ・ホーム認定」を取得予定だそうです。これは、県が防犯性能を一定水準以上と認める制度で、簡単に言えば「防犯に強い家であるお墨付き」。
消費者にとって、こうした第三者認定は信頼の証。家の構造や仕様は素人には分かりづらい部分が多いので、認定制度があるのは安心材料になります。
今後、この「防犯性能認定」は全国的に広がる可能性があります。特に都市部や高価格帯の物件では「セキュリティの有無が購入の決め手」になる時代が来るかもしれません。
この物件を買うのはどんな人たち?
立地は横浜・桜木町。都市部へのアクセスが良く、商業施設も近いエリア。価格帯は1億3,000万円台~1億6,000万円台。この条件を満たす購買層は、ズバリ「都市型の富裕層ファミリー」です。
- 共働きの30代後半~40代前半
- 小さな子どもがいるファミリー
- 会社経営者や医師、弁護士などの高収入層
- 都心マンションではなく、「戸建てに住みたい」という価値観を持つ人
この層にとって、防犯性は非常に重要です。なぜなら、彼らの生活は時間と安全の価値が高いから。少し高くても、便利で安全な暮らしを手に入れたいというニーズが強いのです。
価格は高い?それとも妥当?
「1億3,000万円台から1億6,000万円台」…これは、横浜市西区の戸建てとしてはかなり強気な価格設定です。ただし、桜木町駅徒歩12分という立地、そして防犯性能の高さを考えると、ターゲット層には刺さる価格です。
また、昨今の建築コストの上昇や、都市部の土地価格を考えると、「高いけど納得できる」という水準に落ち着いています。
今後、こうした防犯住宅は広がるのか?
私の予測では、「YES」です。
理由は以下の通り:
- 防犯だけでなく、「安心・安全」への価値観はこれからますます高まる
- 共働き世帯や留守時間が長い家庭の増加
- 高齢者や子育て世帯のニーズに合致
- スマートホーム技術との親和性が高い
むしろ、防犯機能を持たない住宅は、将来的に価値が下がるリスクがあります。不動産の資産価値を守るためにも、「セキュリティ性能」は今後の必須条件になっていくでしょう。
総括:防犯は「家の性能」から「家のブランド」へ
かつて防犯は「オプション」でした。しかし、これからは違います。
「この家は安全です」ということ自体がブランド価値になり、価格を左右する時代になります。
そして、こうした安全性能が「第三者認定」という形で保証されることが、住宅購入の新しい基準になっていくでしょう。
リストグループの今回の取り組みは、その未来を先取りしたモデルケースだと言えます。
あなたに問いかけます
あなたの家は、防犯性能をどれだけ重視していますか?
価格、立地、間取りと同じくらい、これからは「安全」が重要な選択基準になる時代です。
出典:不動産流通研究所 https://www.re-port.net/article/news/0000079774/