日頃からビジネスや人間関係、哲学、そして経営戦略に関するさまざまなテーマをお届けしている本つれづれ雑記ですが、本日は私自身が昨日、実際に参列させていただいた大変おめでたい祝賀会のニュースを中心にお話ししたいと思います。
そのニュースとは、(株)明和住販流通センター代表取締役社長であり、(公財)日本賃貸住宅管理協会(日管協)の前会長でもある塩見紀昭(しおみのりあき)さんの黄綬褒章受章祝賀会です。
オークラ東京(東京都港区)にて開催されたこの祝賀会は、「明和グループ創立40周年感謝の集い」も兼ねて執り行われ、会場には全国から行政関係者、業界関係者、そして塩見氏を慕う方々など、400名を超える来賓が駆けつけました。
熱気と温かな祝福に満ちた会場に身を置きながら、私も一人の人間として、深く胸を打たれる瞬間が何度もありました。
今回のブログ記事では、単なるニュースの概要紹介にとどまらず、「なぜ塩見さんはこれほどまでに多くの人に愛され、偉大な業績を上げることができたのか?」というテーマを、経営学、心理学、そして哲学の観点から徹底的に紐解いていきます。
1. ニュースの概要:賃貸住宅管理業界の発展を支えた40年
まず、今回の祝賀会の背景となった塩見紀昭氏のこれまでの歩みと功績について、改めて整理しておきましょう。
【塩見紀昭氏の主な経歴と業績】
・1987年:(株)明和住販流通センターを設立、代表取締役社長に就任。
・事業実績:40年にわたりサブリースを中心とした賃貸住宅管理事業を展開。
管理戸数約1万2,000戸の企業へと成長させる。
・業界団体での要職:
- 2020~2026年:(公財)日本賃貸住宅管理協会(日管協)会長
-(一社)賃貸不動産経営管理士協議会 会長
-(一社)IREM JAPAN 会長
・主な国家的・業界的貢献:
- 賃貸住宅管理業法の制定
- 賃貸不動産経営管理士の国家資格化の実現
- 日管協の会員数を1.6倍に拡大
- 業界全体のコンプライアンス(法令順守)の徹底
不動産業界、特に「賃貸住宅管理業」という領域は、かつては「不動産売買の付属業務」のように捉えられがちな側面がありました。しかし、塩見さんは40年以上も前からこの分野の重要性に着目し、一貫してその社会的地位の向上と制度化に命を懸けてこられました。
その結果として結実したのが、「賃貸住宅管理業法」の施行であり、「賃貸不動産経営管理士」の国家資格化です。(私も塩見さんに取っておいた方がいいと言われて取得しました)
これは単なる業界内の手柄ではありません。日本全国にある膨大な「賃貸住宅」という社会的インフラを保護し、借り手(入居者)と貸し手(オーナー)の双方にとって安心・安全な取引環境を整えるという、国全体・社会全体に対する絶大な貢献なのです。
2. 発起人挨拶から紐解く「塩見氏の人徳」と経営心理学
祝賀会の中で、特に参列者の心を揺さぶったのが、発起人代表を務められた現日管協会長の西田光孝氏、そして明海大学大学院教授の中城康彦氏によるスピーチでした。
ここからは、お二人の挨拶に含まれていた心理学的・経営学的な示唆について深く考察してみましょう。
(1)「明るく社交的」が引き寄せるポジティブ・リーダーシップ
西田会長はスピーチの中で、塩見さんの人間性について「明るく社交的な性格で、全国各地はもちろん、海外まで飛び回っていただいた」と語られました。
心理学において、リーダーの感情や表情は周囲に伝染することが知られています(感情伝染理論:Emotional Contagion)。特に変化の激しい業界や、法改正といった困難な調整が続く局面においては、リーダーが示す「明るさ」や「前向きなエネルギー」こそが、組織や業界全体を動かす最大の原動力になります。
塩見さんが日管協会長時代に会員数を1.6倍に増やしたという圧倒的な実績も、ただ数値的な目標を掲げたからではなく、塩見さんの持つ人間的魅力と「この人となら一緒に業界を良くしていきたい」と思わせる開放的なパーソナリティがあったからこそ実現したのでしょう。
(2)「これ以上、妻に寂しい思いをさせたくない」——人間性と家族愛
祝賀会の中で最も温かい拍手が巻き起こった場面の一つが、西田会長から明かされた「会長職続投の要請」に関するエピソードでした。
あと1期会長を続けてほしいとお願いした西田氏に対し、塩見氏は「これ以上、妻に寂しい思いをさせたくない」と固辞されたそうです。
このエピソードは、塩見さんという人間の「本質」を物語っています。
どれほど社会的地位が高まり、周囲から称賛される存在になっても、自分を陰で支え続けてくれた最愛のパートナー(奥様)への感謝と配慮を忘れない。経営者としての視点から言えば、「身近な一人を幸福にできない者に、組織や社会を継続的に幸福にすることはできない」という真理を、塩見さんは身をもって体現されています。
西田会長が「これからは奥様の犠牲のない範囲で、業界発展のために働いていただきたい」と締めくくられた際、会場全体が優しさと深い共感に包まれました。
(3)学術的視点から見た「制度と実務の融合」
また、学術の立場から発起人を務められた中城康彦教授(明海大学大学院)のお言葉も非常に印象的でした。
中城氏は、塩見さんの取り組みが「実務と制度の双方を大きく前進させた」と評価されました。
ビジネスの世界では、「現場の実務(リアリティ)」と「制度や法律(論理)」が乖離してしまうことが多々あります。しかし、塩見さんは現場の声を丁寧にくみ取りつつ、海外(特に欧米の先進的なプロパティマネジメント制度)に学び、日本の「ストック型社会(既存住宅を長く大切に使う社会)」への移行に合致する形で制度設計を牽引されました。
これはマーケティング視点で見れば、「市場のニーズ(ユーザー・オーナーの安心)」と「社会的価値(国の政策方向性)」を高次元で合致させた、極めて高度な戦略的リーダーシップであったと言えます。
3. 哲学で読み解く塩見さんの座右の銘「飲水思源(いんすいしげん)」
謝辞に立たれた塩見さんが、参列者に向けて語られた言葉の中で、私の心に最も深く刺さったのが次のフレーズでした。
「私は、井戸の水を飲むときは、その井戸を掘った人のことを忘れるな、という意味の『飲水思源』という言葉を大事にしている。いま私がここにいるのは皆様のおかげ。この気持ちを忘れず、業界の発展に少しでもお役に立てるよう、これからも精進してまいります」
私は大学時代に哲学を専攻しておりましたが、この「飲水思源」という言葉には、東洋哲学における至高の倫理観が込められています。
「飲水思源」が教えてくれる経営の本質
「飲水思源」とは、中国の北周時代の詩人・庾信(ゆしん)の『徴調曲』に由来する言葉です。「水を飲む者は、その井戸を掘った人の労苦を忘れず、常に感謝の心を持つべきだ」という意味を持ちます。
現代のビジネス社会では、ともすると「自分の実力で成功した」「自分のマーケティング手腕で売上を伸ばした」と過信してしまう経営者が少なくありません。
しかし、私たちが今享受している「市場」や「法律」、「社会的信用」といったビジネス環境(=井戸の水)は、すべて過去の先輩方や業界の先人たちが血の滲むような努力で作り上げてきたものです。
塩見さんのように、「自分が成果を出せたのは、井戸を掘ってくれた過去の先人たちや、今目の前にいる仲間たちのおかげだ」という謙虚な態度(Being)を持ち続けること。それこそが、周囲から長年にわたって信頼され、400名もの人々が自主的に集まるようなリーダーであり続けられる理由なのです。
哲学的に言えば、成功とは「個人の所有物」ではなく、「他者との関係性(アソシエーション)の中で生み出された恩恵」に他なりません。塩見さんの謝辞は、集まったすべての経営者やビジネスパーソンに対し、「感謝の源流に立ち返ること」の大切さを教える素晴らしい講義のようでもありました。
4. これからの賃貸不動産業界とストック型社会への展望
今回の黄綬褒章受章祝賀会は、単なる一個人の功績を祝う場にとどまらず、「日本の賃貸住宅管理業界が新たなステージへと踏み出した宣言の場」でもありました。
塩見さんをはじめとする先人たちの尽力によって、賃貸住宅管理業は「国家資格と法律に基づいた、極めて専門性の高いプロフェッショナルな職業」へと進化を遂げました。
では、これからの不動産業界・住宅市場はどこへ向かうべきなのでしょうか?
(1)フローから「ストック」への完全シフト
少子高齢化と人口減少が進む日本において、新築を建て続ける「フロー型ビジネス」には限界が見えています。今後は、既存の建物を適切に維持管理し、価値を高めて長期間運用する「ストック活用型ビジネス」へのシフトが不可欠です。
その中核を担うのが、まさに賃貸住宅管理事業者です。建物の適切なメンテナンス、適切な賃料設定、入居者満足度の向上、多様化する外国人・高齢者などの入居ニーズへの対応など、管理会社の果たす役割は以前にも増して重要になっています。
(2)テクノロジー(DX)と「人間の温もり(HX)」の融合
今後、AIやIoTといったテクノロジーが賃貸管理の現場にどんどん導入されていくでしょう。契約の電子化やAI査定などにより、業務効率化は一段と加速します。
しかし、だからこそ重要になるのが「人間性(Human Experience = HX)」です。
塩見さんが示されたような「明るく社交的な人間関係」「オーナーや入居者、そして家族に対する深い思いやりと感謝」といった要素は、どんな高度なAIであっても代替することができません。
テクノロジーで効率化を進めつつ、浮いた時間とエネルギーを「人との心の通い合い」に注ぐこと。これこそが、これからの賃貸不動産業界で選ばれ続ける企業の条件になると確信しています。
5. 私たちが塩見氏の歩みから学ぶべき「3つの成功原則」
昨日の祝賀会に参加させていただき、私自身、経営者として大きなエネルギーと学びをいただきました。
最後に、塩見さんのこれまでの歩みと今回の祝賀会から、私たちが日常のビジネスや人生に活かせる「3つの成功原則」としてまとめたいと思います。
【ビジネスと人生を豊かにする3つの成功原則】
①「飲水思源」を忘れない(感謝の法則)
現在の自分の成果や環境を当たり前と思わず、それを支えてくれた過去の先人や周囲の人々への感謝を言葉と行動で示し続ける。
② 全体利益(業界・社会)に貢献する(利他の法則)
自社の利益(エゴ)だけを追求するのではなく、業界全体の社会的地位向上や顧客の安心という「全体最適」を目指すことで、結果として自社も発展する。
③ 最も身近な人を大切にする(調和の法則)
社会的成功のために私生活を犠牲にし続けるのではなく、家族やパートナーとの調和を保つことが、長期的・持続的な成功の基盤となる。
塩見さんが示してくださった「飲水思源」の精神を胸に刻み、私も皆様の人生やビジネスに少しでも貢献できる質の高い情報と価値を、これからも誠心誠意発信し続けてまいります。
まとめ:温かな祝福の輪が教えてくれたこと
昨日の「明和グループ創立40周年感謝の集い」兼「塩見紀昭氏黄綬褒章受章祝賀会」は、参加したすべての人々の心に、温かい灯火を点けてくれるような素晴らしい時間でした。
塩見さん、そして株式会社明和住販流通センターの皆様、明和グループの皆様、この度は黄綬褒章のご受章、ならびに創立40周年、誠におめでとうございます!
長年にわたるご貢献に心からの敬意を表しますとともに、塩見さんご夫妻の末永いご健康とご多幸、そして明和グループと賃貸住宅管理業界の益々のご発展を、深くお祈り申し上げます。
私も一人の経営者・発信者として、井戸を掘ってくださった先人たちへの感謝を忘れず、今日からまた新たな気持ちで精進してまいります。
皆様もぜひ、今日の仕事や生活の中で、「自分にとっての井戸を掘ってくれた人は誰だろう?」と一瞬立ち止まり、感謝の思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
本日も最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

