名刺交換のマナー完全ガイド|新社会人が押さえるべき順番と作法【デジタル名刺対応】

日本のビジネスシーンにおいて、名刺は今も昔も特別な存在です。初対面の相手への挨拶において欠かせない「儀式」と捉えると、その本質が見えてきます。名刺とは自分の分身である、と教わったことがある方も多いのではないでしょうか。だからこそ、相手からいただいた名刺もまた同じように、汚したり折り曲げたりせず、丁寧に扱う必要があります。

名刺入れは長く使う道具ですから、できるだけ質の良いものを選ぶことをおすすめします。私自身、前職を離れる際に同僚から餞別としてLOEWEの名刺入れをいただき、今も大切に使い続けています。自分で購入したものよりも、人からいただいたものの方が、不思議と丁寧に扱おうという気持ちが働くものです。メッセージまで添えられていて、まさに力の宿った一品だと感じています。

さて、本題の名刺交換における「順番」についてです。新社会人の方はビジネスマナー研修等で耳にすることも多いと思いますが、基本的には立場が下の者から先に名刺を差し出すのがマナーとされています。ですので、新社会人の方はまず自分から名刺を差し出す意識を持つようにしましょう。もし相手に先に出されてしまった場合には、「申し遅れましたが」と一言添えられると、マナーを心得た新人だという好印象につながります。

上司と同行している場合は、上司を立てて先に相手側と名刺交換をしてもらうのが基本です。また、相手側が複数名いる場合には、役職の高い方から順に名刺をお渡しします。「初対面でどう役職を見極めれば良いのか」と不安に思う方もいるかもしれませんが、心配は不要です。相手側も同じマナーを理解しているケースがほとんどなので、自然と役職の高い方から名刺交換の流れになります。

名刺を差し出す際の手順

  1. 上着やバッグから名刺入れを取り出し、手元に準備します。テーブルを挟んで立っている場合は、テーブルの脇に回り込み、相手の正面に立つのが原則です。
  2. 名刺は胸の高さで両手に持ち、軽く会釈をしながら差し出します。この時、相手が出してくる名刺よりもやや低い位置で差し出すのが望ましいとされています。ただし相手がさらに低く出してくることもあるため、その場の状況に応じて臨機応変に対応しましょう。
  3. 「株式会社〇〇の〇〇 〇〇です」と、会社名・部署名・氏名(苗字だけでなくフルネーム)をはっきりと、ゆっくり丁寧に名乗りながら、相手が読める向きで名刺を差し出します。
  4. 会釈をしながら相手の名刺を両手で受け取ります。「頂戴いたします」と一言添え、「〇〇様ですね」と相手の名前を復唱すると、記憶にも残りやすくなります。

名刺交換が終わった後も、儀式は続きます。受け取った名刺は、着席後、正しい順番で自分の手元に置くことが大切です。複数名いる場合は、着席位置に合わせて名刺を並べておくと、会話中に名前を失念しても確認ができて安心です。役職が最も高い方の名刺は、自分の名刺入れの上に置くのが基本マナーとされています。冒頭で述べた通り、名刺は相手の分身。最後まで丁寧に扱う姿勢が信頼につながります。

注意したい2つのポイント

  1. いただいた名刺にその場でメモを書き込むのは避けましょう。ベテランの方でも時折見かけますが、相手にとっては失礼にあたる行為です。
  2. 名刺を置き忘れて帰ることのないよう気をつけましょう。特に商談後のエレベーターや会議室の机の上での置き忘れは意外と多いミスです。

また、相手の名前が聞き取れなかったり、漢字の読み方が分からない場合は、「恐れ入りますが、もう一度お伺いしてもよろしいでしょうか」「失礼ですが、何とお読みすればよろしいでしょうか」と確認することは決して失礼にはあたりません。曖昧なまま済ませるよりも、しっかり確認する姿勢の方が、むしろ丁寧な印象を与えます。

デジタル名刺・オンライン商談における名刺交換マナー

近年は「Eight」や「Sansan」といった名刺アプリの普及により、紙の名刺だけでなくデジタル名刺を使った交換シーンも一般的になってきました。名刺交換をする場面自体、対面だけでなくオンライン会議やチャットツール上など多様化しており、それに合わせた新しいマナーを押さえておくことが、これからのビジネスパーソンには求められます。

デジタル名刺交換の代表的な方法としては、QRコードやURLを提示・読み取って相手専用のデジタル名刺画面にアクセスしてもらう方式や、スマートフォン同士をかざして交換する「タッチ名刺交換」などがあります。紙の名刺のように「切らしてしまった」という心配がなく、交換した相手と継続的につながれる点も評価され、デジタル名刺の利用を検討するビジネスパーソンは着実に増えています。

とはいえ、画面越しのやり取りだからこそ気をつけたいマナーもあります。特に意識したいポイントを挙げます。

  • オンライン商談では、名乗るタイミングは対面と同様に大切です。QRコードやURLを共有する前に、まずは「株式会社〇〇の〇〇です」と口頭できちんと自己紹介をしましょう。画面共有や操作に気を取られて挨拶が疎かにならないよう注意が必要です。
  • デジタル名刺交換をした後の会話では、プロフィール欄に登録されている情報(出身地、趣味、担当領域など)を話のきっかけにすると、初対面でも自然に距離が縮まります。実際、若手ビジネスパーソンを対象にした調査でも、プロフィールを会話のネタにすることは重視すべきマナーの一つに挙げられています。
  • 名刺交換をしたその日のうちに、お礼のメッセージを送ることも評価の高いマナーとされています。デジタル名刺はメッセージ機能を備えているものも多く、対面以上に「その場限り」で終わらせず、関係を継続させる工夫がしやすいのが特徴です。
  • 相手がデジタル名刺に不慣れな場合や、システムトラブルで交換がうまくいかない場合に備えて、紙の名刺も念のため携帯しておくと安心です。特にはじめて訪問する取引先や年配の方との商談では、紙の名刺を基本としつつデジタルを補助的に使う姿勢が無難です。
  • オンライン会議で名刺交換機能(バーチャル背景表示やチャット欄への貼付など)を使う場合も、対面同様「両手で受け取る」意識、つまり丁寧な言葉を添える姿勢を忘れないようにしましょう。「頂戴いたします」「ありがとうございます」といった一言があるだけで、画面越しでも印象は大きく変わります。

紙の名刺交換で培われてきた「相手を敬う所作」の本質は、デジタル名刺やオンライン商談でも変わりません。ツールが変わっても、根底にある「相手を大切に思う気持ちを形にする」という姿勢を忘れずにいたいものです。

細かいと感じる方や、今の時代にはやや古風だと感じる方もいるかもしれません。しかし、仕事のできるビジネスパーソンほど、こうした基本的な所作を丁寧に積み重ねています。何事においても、基本を大切にできる人は美しいものです。

それでは、今日も笑顔で。お仕事も楽しんでいきましょう!

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