このカテゴリーでは、「仕事を円滑に進めるためのビジネスマナーを身につける」をコンセプトに、社会人としての暗黙のルールや現場で実際に役立つビジネスマナーを解説しています。新入社員の方の研修用に、また一度学んだ方の再確認用として、ぜひご活用ください。
挨拶に古さは関係ない
「ビジネスマナー」と聞くと、どこか古臭い、堅苦しいイメージを持つ方も少なくないでしょう。リモートワークやチャットツールでのやり取りが当たり前になった今、対面での挨拶など不要だと感じる場面も増えているかもしれません。
しかし、実際に成果を出している経営者やビジネスパーソンほど、挨拶を軽視しません。むしろ、コミュニケーションの基本である挨拶を巧みに使い分けています。カジュアルさを求められるクライアントの前では少し肩の力を抜き、伝統を重んじる企業相手にはフォーマルな言葉選びをする。こうした使い分けができる人こそ、「仕事ができる人」と評価されるのです。
これはオンライン・オフラインを問いません。Web会議の冒頭での一言、チャットでの最初のメッセージ、メールの書き出し。形式は変わっても、「相手にどう伝わるか」を考える姿勢そのものは、時代が変わっても価値を失わないビジネスの基本です。
挨拶は「声が届く」ではなく「どう届くか」が重要
人との関係は、挨拶で始まり挨拶で終わります。仕事だけでなく、日常生活のコミュニケーションもまた挨拶から始まるものです。
ここで重要なのは、声が相手に届くかどうかではなく、どう届くかという点です。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、これは非常に重要な視点です。
声が物理的に届いていたとしても、元気のない声、疲れを感じさせるトーンでは意味がありません。また、相手と目を合わせず、タイミングも考えずに発した挨拶には、実質的な価値がないと言っても過言ではないでしょう。
挨拶の基本は、次の3つです。
- 笑顔で
- 明るく
- 目と目を合わせて
この3つを自然に実践できている人の挨拶は、事務的にならず、相手に好感を与えます。逆に、形だけの挨拶は、どれだけ言葉を尽くしても相手の印象に残りません。
シーン別・実践フレーズ集
社会人1年目の方、この春から新社会人になる方には、以下を「暗黙のルール」として押さえておいていただきたいシーン別の挨拶をご紹介します。
出社したとき
「おはようございます」
※先輩や上司には「本日も宜しくお願いいたします」と一言添えると、より丁寧な印象になります。
外出するとき
「行ってまいります」
外出先から戻ったとき
「ただいま戻りました」「ただいま帰りました」
外出する人に対して
「いってらっしゃいませ」
外出から戻った人に対して
「お帰りなさい」「お疲れ様でした」
退社するとき
「お先に失礼いたします」
退社する人に対して
「お疲れ様でした」
用事を頼まれたとき
「かしこまりました」
用事をお願いするとき
「お手数ですが、お願いいたします」
仕事中の人に声をかけるとき
「お時間いただいてもよろしいでしょうか」
いずれも、皆さんが日頃から耳にしている言葉ばかりで、特別に難しいものはありません。大切なのは言葉そのものよりも、先ほどお伝えした3つの基本(笑顔・明るさ・アイコンタクト)を伴っているかどうかです。相手が気持ちよく感じる挨拶を心がけることで、物事は驚くほど円滑に進みます。
オンライン時代の挨拶で気をつけたいこと
近年はWeb会議やチャットでのやり取りが増え、対面での挨拶機会そのものが減っています。だからこそ、数少ない対面や声での接点における挨拶の質が、相手の印象を大きく左右するようになったとも言えます。
Web会議であれば、開始直後のミュート解除のタイミングで、明るいトーンで「おはようございます、よろしくお願いいたします」と一言添えるだけで印象は変わります。チャットでの依頼事であれば、本文の前に「お世話になっております」の一言を置くだけで、事務的な連絡が丁寧な一言に変わります。ツールが変わっても、「相手にどう届くか」という本質は変わりません。
注意:上司や目上の方に使ってはいけない言葉
最後に、よくある間違いを一つご紹介します。
「ご苦労さまでした」は、上司や目上の方には使ってはいけない言葉です。この言葉は本来、目上の人が目下の人をねぎらう際に使ってきた表現であり、年齢や役職が上の方に対して使うと、不快に感じさせてしまう可能性があります。目上の方には「お疲れ様でした」を使うようにしましょう。
言葉一つで、相手との関係性やその後の仕事の進めやすさが大きく変わります。基本を丁寧に積み重ねることが、結局は一番の近道なのです。

