地域を支える不動産会社の挑戦――ユーミーらいふグループが8年・70名に給付型奨学金を届けた理由

大学生の2人に1人が奨学金を必要とする時代に、湘南の不動産会社が「住まい×奨学金×地域交流」という独自モデルで学生を静かに支え続けてきた。その8年間の軌跡と、地域貢献の本質を読み解く。

目次

「2人に1人」が奨学金を必要とする現実

日本学生支援機構の調査によれば、大学生の奨学金受給率は55.0%。さらに物価高の直撃を受け、下宿生の食費は増加する一方、書籍費や教養費を削らざるを得ない学生が増えている。これはもはや一部の話ではなく、キャンパスの”普通の風景”になりつつある。

こうした状況を、一つの不動産会社が地道に変えようとしてきた。神奈川県藤沢市に拠点を置くユーミーらいふグループは、2019年から東海大学湘南キャンパスの新入生を対象に給付型奨学金を提供し続け、2026年度で8年目、累計支援人数は70名に達した。

「湘南モデル」の三位一体とは何か

この取り組みのユニークさは、単なる金銭支援にとどまらない点だ。制度の骨格は三つの要素が絡み合って成立している。

・同グループ管理物件への入居者が対象。暮らしの基盤から支援する。

・月1万円×24か月、総額24万円を給付。返済不要で学業に集中できる。

・月1回のイベントで学生と地域をつなぐ。先輩から後輩へ経験が循環する。

特に注目したいのが「縦のつながり」の設計だ。制度開始当初は給付期間が1年間だったが、「支援が終わると学生同士のつながりが途切れてしまう」という現場の気づきから2年間へと延長された。先輩奨学生が後輩に知恵や経験を引き継ぐ仕組みを意図的に育てているのである。制度が現場の声によって進化し続けている点に、この組織の誠実さが表れている。

「恩返し」という経営哲学

担当者のコメントに「湘南の地に育てていただいた」という言葉がある。これは決して美辞麗句ではなく、地域不動産業の本質を突いている。不動産ビジネスはその土地に根ざした人々の生活があって初めて成立する。地域が豊かでなければ、事業も豊かになれない。

そこに気づいている事業者は、CSR(社会的責任)を「コスト」とは見なさない。学生への支援は将来の地域を担う人材への投資であり、その人材が地域に残り、消費し、活躍することで巡り巡って事業の土台を豊かにしていく。長期視点で見れば、これは純粋に合理的な選択でもある。

学生の声

「親の負担を減らせた」(N.Kさん、1年)

「経済的にだいぶ助かり、学業に力を入れられた」(Y.Tさん、2年)

私たちLiFが目指す未来

株式会社LiFも不動産業を営んでいる。今回のユーミーらいふグループのニュースを読んで、正直、背筋が伸びた。

地域の大学生を応援することは、以前から温めてきたテーマだ。住まいを提供するだけでなく、学生の挑戦を後押しし、地域とのつながりを育む場所をつくる。それがいつか当たり前になるような会社にしていきたい。

ユーミーらいふグループの8年という歳月は、簡単には真似できない。しかし、その精神は学べる。まずは小さく、誠実に。地域に根ざした不動産会社として、自分たちにできることを一つずつ積み上げていきたい。

「続ける」ことの価値

最後に一つ。今回この取り組みが広く発信されるようになったのは、8年続けてきたからだ。社会貢献活動は、始めることより続けることの方が難しい。景気の波があり、人員が変わり、優先順位が変わる中でも、ぶれずに続けてきた組織だけが「信頼」を積み上げられる。

70名の学生が受け取った24万円は、数字以上のものを運んでいる。「この街の大人たちは、自分たちのことを気にかけてくれている」という感覚——それが地域への愛着を育て、やがて地域を守る力になっていく。ユーミーらいふグループの挑戦は、不動産業に限らず、すべての地域密着型ビジネスへのヒントを含んでいる。

出典:ユーミーらいふグループ https://you-me-life.co.jp/news/2748/

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