NOT A HOTELが「セカンダリーマーケットプレイス」を開始!資産の流動化と新しい不動産体験の可能性

2025年10月9日に発表された NOT A HOTELのセカンダリーマーケットプレイス開始 について解説していきます。

このニュースは、不動産市場において新しい流れをつくる可能性がある重要なトピックです。不動産という「流動性が低い資産」を、テクノロジーを駆使して“もっと手軽に売買できるもの”に変えていこうという試み。今回は、この仕組みが持つ意味と今後の展望を考えてみたいと思います。


目次

セカンダリーマーケットプレイスとは?

NOT A HOTELは「世界中にあなたの家を」というコンセプトで、高級別荘をシェア購入できる仕組みを展開してきました。
従来のシェア不動産は「買ったらなかなか売れない」「売却に時間と手間がかかる」といった問題がありました。しかし今回始まった「セカンダリーマーケットプレイス」では、オーナーがアプリからワンタップで売却手続きを開始でき、最短で翌日に入金が行われる仕組みが導入されました。

つまり、不動産でありながら“株式のようにスピーディーに売却できる”体験が提供されるのです。

ポイントは2つの売却方法

  1. 今すぐ売却
    NOT A HOTELが提示する価格で即時売却。平均で販売時より20.1%アップというデータも公表されました。これは所有者にとって非常に魅力的な出口戦略となります。
  2. 希望価格での売却
    自分で価格を設定し、買い手とマッチングする仕組み。株式市場でいう「指値注文」のようなイメージです。

購入希望者にとっても、人気物件をセカンダリー市場で手に入れるチャンスが広がるため、双方にメリットがあります。


「流動化する不動産」が意味するもの

私が注目したいのは、今回の仕組みが 「不動産の流動化」 に直結しているという点です。

これまで不動産は「重たい資産」でした。購入にも売却にも数か月かかるのが当たり前で、気軽に手を出せるものではありませんでした。しかし、NOT A HOTELのようにテクノロジーと明確なルール設計を組み合わせることで、不動産がより柔軟に売買できるようになってきています。

これは、金融市場で言えば「流動性」が増すということ。
資産価値が安定しやすく、投資商品としての魅力も増すのです。

特に今回の「平均20.1%アップでの買取」という事実は、オーナーに「安心して購入していい」という心理的な後押しを与えています。投資家にとっては「出口戦略がある」ことは非常に重要なポイントです。


新しい不動産のあり方

私が感じるのは、NOT A HOTELが提示しているのは単なる「売却機能」ではなく、不動産の新しいライフサイクル です。

  1. 購入して利用する(オーナー体験)
  2. 必要に応じて売却する(流動化)
  3. 売却後にまた別の物件を購入する(循環利用)

この循環が回り始めると、不動産は「一度きりの買い物」ではなく、「ライフスタイルに合わせて乗り換えるもの」へと変化します。

車を数年ごとに買い替えるように、別荘も「使わなくなったらすぐに売り、次の場所を買う」という柔軟な選択肢が広がるのです。


心理学から見た「ワンタップ売却」のインパクト

人は「決断の手間」が大きいと、行動を先延ばしにします。
これまでの不動産売却は「仲介会社に依頼して、広告を出して、内覧して…」と非常にハードルが高かった。

しかし、アプリから“ワンタップで売却”できる体験は、心理的なハードルを大きく下げます。
この「簡単にできる」という設計が、利用者拡大において非常に重要な役割を果たすと考えます。


今後の展望と課題

もちろん、課題も存在します。

  • 価格変動のリスク
    現状では平均20.1%のプラスですが、今後市場環境によっては下落する可能性もあります。
  • 利用者層の拡大
    まだ富裕層向けのサービス色が強いですが、将来的に一般層に広がるのかは注目です。
  • 法的整備や税務面
    不動産を流動的に取引する新しい仕組みは、既存の法律や税制との調整も必要になるでしょう。

それでも、こうした仕組みが成功すれば、不動産の購入・売却の在り方そのものが変わっていくことは間違いありません。


大橋登の視点:不動産が「使う」「持つ」「売る」を自由に選べる時代へ

今回のNOT A HOTELのニュースを一言でまとめるなら、

「不動産がもっと“軽やかに”なる時代が来た」

ということです。

不動産はこれまで「一生に一度の買い物」と言われてきました。
しかし、ライフスタイルが多様化し、働き方も生き方も柔軟になった今、「一度買ったら一生持ち続ける」必要はなくなっています。

NOT A HOTELが提供するセカンダリーマーケットは、その象徴的な第一歩。
今後は他の不動産会社やテック企業も同様の仕組みを展開し、不動産の売買はもっと身近でスピーディーなものになっていくでしょう。

私たちはいま、不動産の歴史の転換点に立ち会っているのかもしれません。

出典:NOT A HOTEL株式会社 https://notahotel.com/news/pressrelease-jp-034

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