アットホーム「スマート申込」が58社と連携!家賃保証のデジタル化が変える賃貸業界の未来

【不動産DX最前線】アットホーム「スマート申込」が58社と連携!家賃保証のデジタル化が変える賃貸業界の未来

不動産情報サービス大手のアットホーム株式会社は、2025年9月末時点で「スマート申込」と連携する家賃債務保証会社が 58社 に到達したと発表しました。新たに連携に加わったのは、日本テナント保証株式会社。これにより、全国規模で家賃保証会社とのデジタル接続網がますます広がっています。

このニュースをどう捉えるか。業界で働く方々にとってのメリット、消費者にとっての利便性、そして不動産DX全体の流れにおける意味を、私の視点から解説していきます。


目次

「スマート申込」とは何か?

まず「スマート申込」とは、不動産会社が賃貸契約の入居申込をオンラインで完結できる仕組みです。入居希望者が入力した氏名・勤務先・緊急連絡先などの情報を、ワンクリックで家賃保証会社や保険会社に連携できるため、紙の申込書やFAX送付の手間が不要になります。

従来の業務フローでは、申込用紙に手書きで記入し、それをFAXや郵送で送信、不備があれば確認のやり取りが発生する…という非効率なプロセスが当たり前でした。ところが「スマート申込」では、入力データがそのまま審査に回るため、スピード・正確性・コスト削減の三拍子が揃います。


家賃債務保証会社との連携拡大の意味

今回ニュースの中心は「家賃債務保証会社」との連携数が58社に達したことです。ここで重要なのは、家賃保証会社の存在が賃貸契約においてほぼ必須になりつつあるという点です。

背景には2020年の民法改正があります。連帯保証人の「極度額」を明示することが義務化され、従来のように親族や知人に無制限の保証をお願いすることが難しくなりました。その結果、「保証人を立てる」から「保証会社を利用する」流れへと大きくシフトしました。

アットホームの調査では、すでに賃貸取引の 約7割の不動産会社が8割以上の契約で保証会社を利用している と回答しています。もはや保証会社の利用は“例外的”ではなく“標準的”な選択肢となっているのです。

この潮流の中で、「スマート申込」が数多くの保証会社と連携することは、不動産会社にとっても入居者にとっても「選択肢の広がり」と「業務の効率化」を同時に実現する重要な進展といえるでしょう。


不動産会社にとってのメリット

「スマート申込」が業界にもたらす効果を、現場視点で整理すると次のようになります。

  • ペーパーレス化によるコスト削減
    郵便料金は2024年10月に値上げされました。大量に発生する郵送コストを削減できるメリットは大きいです。
  • 入力ミスや書類不備の削減
    手書きに比べてデータの正確性が高まり、不備確認のやり取りが減少します。
  • リードタイム短縮による成約率向上
    申込から審査までのスピードが速くなることで、入居希望者の意欲が下がる前に契約をまとめられます。
  • スタッフの業務負担軽減
    事務作業に割く時間を減らし、接客や物件提案といったコア業務に集中できます。

これは単なる“便利なシステム”にとどまらず、不動産会社の生産性を左右するインフラへと進化しつつあるのです。


入居者にとってのメリット

入居者側から見ても、「スマート申込」のメリットは明確です。

  • 24時間オンライン申込が可能
    来店や書類郵送の手間が省け、仕事終わりや休日でもスムーズに申込できます。
  • 審査スピードの向上
    入居希望から契約成立までの時間が短縮され、早く新生活をスタートできます。
  • 選べる保証会社の選択肢
    複数の保証会社と連携しているため、自分の状況に合った保証プランを選びやすくなります。

結果として、住まい探しの「ストレスフリー化」が進み、消費者満足度の向上につながります。


不動産DXの本質

今回のニュースは「家賃保証会社との連携」という一見すると部分的なトピックに見えますが、その本質は 不動産業界全体のDX化が加速している という点にあります。

これまで「FAX文化」「紙文化」が根強く残っていた不動産業界ですが、

  • 申込
  • 契約
  • 重要事項説明
  • 決済

といった賃貸・売買の主要プロセスは、今まさにオンライン化・デジタル化へとシフトしています。

「スマート申込」の事例はその象徴であり、不動産会社にとっては「デジタルを活用しないと生産性が追いつかない時代」が来ていることを示しています。


今後の展望と課題

もちろん、課題も存在します。

  • 中小不動産会社のITリテラシー格差
    システム導入や運用に不慣れな会社も多く、教育やサポートが不可欠です。
  • セキュリティと個人情報保護
    入居申込は膨大な個人情報を扱うため、情報漏洩リスクに万全の対策が求められます。
  • 利用者の「不安感」への配慮
    高齢者やデジタルに慣れていない層にとっては、紙から完全移行することに抵抗感もあります。

これらを乗り越えて初めて、不動産DXの恩恵が業界全体に広がっていくのです。


まとめ:不動産業界は「スマート」への転換期

今回の「スマート申込」連携拡大のニュースは、不動産業界の大きな転換点を象徴しています。
FAXや郵送に依存してきたアナログ文化から、オンラインでのシームレスなやり取りへ。

この変化は単なる効率化にとどまらず、

  • 入居者の利便性向上
  • 不動産会社の業務改革
  • 業界全体の生産性向上

につながるものです。

私は、この流れを 「不動産DXの第二章」 と捉えています。第一章はITツール導入の試行期。第二章は「業界標準」としての定着期です。

これから5年、10年の間に「スマート申込」に限らず、不動産の取引はオンライン化がさらに加速するでしょう。その時代を生き抜く鍵は、「便利な仕組みを使いこなす力」と「お客様に寄り添う心のサービス」の両立です。

効率化の先にあるのは、より人間的で豊かな住まい探しの体験だと、私は考えています。

出店:アットホーム株式会社 https://athome-inc.jp/news/release/services/smartmoushikomi-202510/

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